AIと一緒に曲をつくってはいるけれど、権利まわりが怖くて手が止まる——そんな覚えはありませんか。ぼくは、そこを読まないまま曲をつくっていました。
それで、ひととおり読んでみました。どこにも出していないので、いまのところ踏める地雷がありませんでした。分かったのは、それだけです。
この記事では、誰が、いつ、どの文書で、何と書いていたかを並べます。解釈はしていません。読んだ日を添えただけの、覚え書きです。
※この記事は 2026年8月27日 時点の記録です。いまの状況はこちらにまとめています。
※このシリーズの最初はAIと一緒にボカロ曲をつくっています。まだ1曲も完成していませんです。
AIと一緒につくっている曲について、JASRACと文化庁が出しているもの、配信を扱うお店の規定、それに歌ってもらっている重音テトの規約を調べました。まだ1曲も公開していないので、どれもいまのところ自分には働いていません。書いたのは、誰がいつ何と書いていたかというところまでです。
1. まだ1曲も出していないので、規約が働く場面がありません

まだ1曲も公開していないので、規約が働く場面がそもそも発生していません。調べた結果として安全だった、という意味ではありません。
1曲目はいま、バンドの音と歌を合わせるところ。2曲目は歌詞ができたところです。どちらも、どこにも出していません。
配信の申し込みもしていませんし、どこかへ届け出てもいません。動画サイトにも上げていません。
だから今回読んだものは、そのほとんどが「出したときに読む欄」でした。いま読んでも、こちらが何かを求められる場面に立っていないんですよね。
それでも読んだのは、このまま進むと、出す直前に慌てて読むことになりそうだったからです。
2. AIでつくった曲を出す前に、どこを見ればいいの?
見る先は、いまのところ4つに分かれていました。どこか1か所を見れば済む、という形にはなっていません。
JASRAC、文化庁の小委員会、配信を扱うお店、それに歌ってもらっている歌声の権利者。この4つです。
| 誰が | どの文書で | いつ/読んだ日 | 何と書いてあるか | いま、ぼくに関係があるか |
|---|---|---|---|---|
| JASRAC | AIを利用した作品の取り扱い(ガイドライン) | 2023年8月10日(2026年3月30日更新) 読んだ日 2026年8月27日 |
JASRACは、管理の対象について、人間の創作的寄与が認められる作品を管理対象とすると書いています。シンプルな指示に基づいてAIが自律的に生成した歌詞や楽曲は、著作物に該当しないため管理を引き受けることができない、とされています | 🔵 出したときに読む欄です(まだ出していません) |
| JASRAC | AIを利用した作品の取り扱い(ガイドライン)第2項・歌詞と曲でつくり方が違うとき | 2023年8月10日(2026年3月30日更新) 読んだ日 2026年8月27日 |
JASRACは、歌詞と曲の一方をAIが自律的に生成し、もう一方を人が創作した作品について、一方がパブリックドメインである作品と同様の取り扱いとすると書いています。届け出るときは「作詞(又は作曲):AI 自律生成」などと分かるように記載するよう求めています | 🔵 出したときに読む欄です(まだ出していません) |
| 文化庁の小委員会 | 「AIと著作権に関する考え方について」【概要】 | 令和6年(2024年)4月 読んだ日 2026年8月27日 |
小委員会は、著作物性について、AIが自律的に生成したものは著作物に該当しないと考えられると書いています。人が創作的に表現するための「道具」としてAIを使用したと認められれば著作物に該当し、AI利用者が著作者となると考えられる、とも書かれています。この文書自体は法的な拘束力を有するものではない、とも書かれています | 🔵 出したときに読む欄です(まだ出していません) |
| 文化庁の小委員会 | 「AIと著作権に関する考え方について」【概要】創作的寄与の判断要素 | 令和6年(2024年)4月 読んだ日 2026年8月27日 |
小委員会は、判断の要素として、指示・入力の分量/生成の試行回数/複数の生成物からの選択を挙げています。長い指示であっても、創作的表現に至らないアイデアを示すにとどまる指示であれば、創作的寄与の判断には影響しないと書かれています | 🔵 出したときに読む欄です(まだ出していません) |
| TuneCore Japan | AIを使用したリリースに関するガイドライン | 作成 2025年4月2日 読んだ日 2026年8月27日 |
TuneCore Japan は、①楽曲が100%AI生成によるものではないこと ②生成に必要な許諾等が全て取得済みで、学習データ等に係る第三者の権利を侵害しないこと のすべてに当てはまるものでない限り、審査の過程でリリースが承認されない可能性があると書いています | 🔵 出したときに読む欄です(まだ出していません) |
| TuneCore Japan | 【著作権管理サービス】届出申請できない作品は? | 作成 2022年3月10日 読んだ日 2026年8月27日 |
TuneCore Japan は、利用できない作品の一つとして「生成AIを利用して制作された音楽作品」を挙げ、現時点において著作権管理サービスは利用できない、と書いています。これは配信とは別のサービスの説明として書かれています | 🔵 出したときに読む欄です(まだ出していません) |
| DistroKid | Can I Upload Music Made With AI Tools to DistroKid?(英語) | 作成 2025年5月12日 読んだ日 2026年8月27日 |
DistroKid は、AIツールで作った音楽は受け付けるが、ルールがあると書いています。コンテンツの100%の権利を保有していること/許諾なく他人の声や肖像を模倣しないこと/アルゴリズムの操作や大量投稿のためだけに作られた音楽は各ストリーミングサービスのポリシー違反であることが挙げられています | 🔵 出したときに読む欄です(まだ出していません) |
| TWINDRILL | 重音テト音源利用規約 | 2011年4月1日発行/2023年4月3日最終改定 読んだ日 2026年8月27日 |
TWINDRILL は、Synthesizer Vで出力した合成音声の商用利用について、商用利用の内容に関係なく許諾されていると書いています。「重音テト」「小山乃舞世」をクレジットせずに作品を発表することは禁止事項にあたりません、とも書かれています | ✅ もう関係があります(歌ってもらっているので) |
※「文化庁の小委員会」は、文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会のことです。国そのものではなく、そこに置かれた委員会が出している文書です。
※「読んだ日」は、ぼくがそのページを開いた日です。書いてあることは、そのあとで変わっていることがあります。
同じ「配信を扱うお店」でも、2社で書いてあることが違いました。TuneCore Japan は「100%AIでつくったものではないこと」を条件として挙げていて、DistroKid のページには、その条件にあたる記述が見当たりません。そのかわり、権利を100%持っていることや、許諾なく他人の声をまねないことが挙げられています。
ここまで読んで、ぼくも「じゃあ、ぼくの曲はどっちなんだ」と思いました。
ぼくには判断できません。書けるのは、誰がいつ何と書いていたか、というところまでです。
表に入れなかったものも、5つあります
見つけたけれど、表からは外したものがあります。隠すと調べていないのと同じになるので、名前だけ置いておきます。
- JASRAC「創造のサイクルとの調和がとれたAI利活用の実現に向けて」(2026年6月11日公開)——ガイドラインへの入り口になっているページです。この日付は、ガイドラインができた日ではなく、まとめたページを公開した日でした。
- 文化庁の小委員会「AIと著作権に関する考え方について」本体(令和6年3月15日)——表に入れた【概要】と中身が重なるので、1行にまとめました。
- 文化庁「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)——実務向けに整理した資料です。
- DistroKid「What Are AI Credits?」(2026年4月13日)——トラックの一部がAIで生成されたことを開示できる仕組みだと書かれています。必ず入れるものなのか、任意なのかは、ぼくには読み取れませんでした。
- Spotify のAI保護についての発表(2025年9月25日)——出したあとの運用の話で、見る先の4つとは層が違いました。
💡 ここがポイント!
調べる前は、どこか1か所に「これがルールです」と書いてあるものだと思っていました。
実際には、書いている人がそれぞれ違って、書いてある場所も、日付も、ばらばらでした。
3. 歌ってもらっている重音テトにも、規約がありました

歌声を使うことと、キャラクターを使うことは、別の規約になっていました。ぼくが使っているのは歌声のほうです。
ぼくが使っている歌声データベースは第1回に書いたとおり重音テトひとつです。読む先が2つに分かれていることは、開いてみて初めて知りました。
| 支配しているのは | ぼくの場合 | |
|---|---|---|
| 🎤 歌ってもらう(声を使う) | 重音テト音源利用規約(2011年4月1日発行/2023年4月3日最終改定) | ✅ 使っています |
| 🎨 名前・絵・設定を使う | 重音テト キャラクター利用規約(ピアプロ・キャラクター・ライセンスを準用していると説明されています) | ⚪ 使っていません |
※どちらも、ぼくが読んだ日は 2026年8月27日 です。
だから、いま読む必要があったのは、上の段のほうでした。
「準用」については、ライセンスの形式としてPCLを採用して重音テトのライセンスを提供するもので、クリプトン社のキャラクターの二次的著作物になるということではない、と説明されています。
クレジットについては、音源利用規約に「『重音テト』『小山乃舞世』をクレジットせずに作品を発表することは禁止事項にあたりません」と書かれています。
💡 ここがポイント!
歌ってもらっている相手にも、ちゃんと文章がありました。
音を借りている時点で、そこはもう関係している。調べていて、いちばんはっきりしたのはここでした。
4. 届け出るときは、自分で保証できるか確認するよう書かれていました
作品を届け出るときは、人が創作的に寄与した著作物であることを自身で保証できることを確認するよう求める記述がありました。ぼくはまだ、届け出ていません。
これは、JASRACのガイドラインの3つめの項目に書かれていました。
あわせて、届出内容に疑義がある場合には作品届に関する資料の提出を求めることがあり、委託者は速やかにこれを提出しなければならない、とも書かれています。
読んだのは、ここまでです。書いてあるのは「資料の提出を求めることがある」というところまでで、そこから先のことは書かれていません。
📝 いま、ぼくがやっていること
- 読んだ文書の名前と、開いた日をメモに残す
- 誰が何と書いていたかを、書いてあった形のまま写す
こうやって書き残していること自体が、いつか関係してくるのかもしれません。そう書いてあるのを読んだ、というだけです。
5. よくある質問
重音テトの規約には、名前の表記について何と書いてあるの?
重音テト音源利用規約には、「『重音テト』『小山乃舞世』をクレジットせずに作品を発表することは禁止事項にあたりません」と書かれています。
キャラクターのほうは別の規約になっています。ぼくが使っているのは歌声のほうで、名前も絵も出していません。
JASRACは、AIがつくった曲をどう扱うと書いているの?
JASRACは、ガイドラインで、人間の創作的寄与が認められる作品を管理対象とすると書いています。シンプルな指示に基づいてAIが自律的に生成した歌詞や楽曲は、著作物に該当しないため管理を引き受けることができない、とされています。
この文書は2023年8月10日付で、2026年3月30日に更新されたと書かれています。
ぼくの曲がどちら側なのかは、ぼくには判断できません。
6. まとめ
この記事で書いたことは、3つです。
- 見る先は4つに分かれていて、どこか1か所を見れば済む形にはなっていなかった
- いま関係があったのは、歌ってもらっている重音テトの音源利用規約だけだった
- 自分の曲がどちら側なのかは、判断できなかった
もし権利まわりが気になって手が止まっているなら、読んだ文書の名前と、開いた日をメモしておくのがおすすめです。中身はあとから変わることがありますが、いつ読んだかは変わりません。ぼくが書けているのも、そこまでです。
読む場面が来たら、また読みます。
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※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成したものが含まれています。