第31回:配信前チェックリストと著作権の基礎知識|安心して楽曲を公開するために|VOCALOID中級講座[AI]
ボーカロイド楽曲を作り終えた後、「いざ配信!」となる瞬間は誰にとってもワクワクするものです。しかし、配信には“音質面での最終確認”や“著作権関連のチェック”といった見落としやすい注意点が多数あります。
この記事では、Studio One 7 と Synthesizer V Studio Pro を中心に制作している中級者向けに、配信前の最終チェックリストと、楽曲を安全に公開するための著作権知識を徹底解説します。
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配信前に確認すべき7つの基本項目
まずは、配信前に必ずチェックしておきたい基本項目です。以下の表をもとに、公開前のトラブルを未然に防ぎましょう。
| チェック項目 | 内容 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 1. 音量バランス | マスタリング後にピークが0dBを超えていないか。 | -6dBFS程度で余裕を持たせる |
| 2. ノイズ・クリック音 | エクスポート時にクリックノイズやリップ音がないか確認。 | Studio Oneの「ノーマライズ」をOFFにして確認 |
| 3. メタデータ | タイトル・アーティスト名・作詞作曲者情報が正しいか。 | ID3タグを正確に入力(特に配信代行サービス用) |
| 4. アートワーク | 配信規定に沿った解像度・サイズになっているか。 | 3000×3000px以上、JPEG推奨 |
| 5. フォーマット | WAV 24bit 44.1kHz が一般的(配信代行向け) | 16bitに変換する場合はDitheringを忘れずに |
| 6. ファイル名 | 日本語やスペースを含まない命名にする。 | 例:vocaloid_song_master.wav |
| 7. バックアップ | プロジェクトデータの保存・クラウドバックアップを取る。 | OneDriveやGoogle Driveの活用 |
これらは「音楽配信前の健康診断」とも言えるチェック項目です。ミスがあると配信後の修正が難しくなるため、特に音量とメタデータは二重チェックを徹底しましょう。
音質チェック:マスタリング後の最終確認ポイント
第30回の記事「マスタリングで音圧と統一感を仕上げる方法」で学んだ内容を踏まえ、配信直前にすべき“最終音質チェック”を整理します。
1. リファレンス曲との比較
商用配信されているVOCALOID楽曲(例:DECO*27、ナユタン星人など)をStudio Oneに読み込み、自分のマスターと並べて比較しましょう。
低域の出方や高域のきらめき具合、ボーカルの定位が似ているかを耳で確認します。
2. マルチバンド・ダイナミクスの最終確認
Studio Oneの「Multiband Dynamics」プラグインを活用して、周波数帯ごとの圧縮を整えましょう。特に100Hz以下の低域と2kHz以上の高域は過圧縮になりやすいポイントです。
3. Bus Processingの使い方
全体のマスターBusにEQ・コンプレッサー・リミッターを直列で使う際は、順序を守ることが重要です。
- EQ(トーン補正)
- Compressor(音圧の安定)
- Limiter(ピーク制御)
バス処理の理解には、以下のPreSonus公式動画が非常に参考になります。
PreSonus公式「Bus Processing Explained」
メタデータとファイル形式の設定
1. ファイル形式の選択
配信代行サービス(TuneCore、DistroKidなど)では通常「WAV(44.1kHz / 24bit)」が推奨されています。MP3で提出すると、後に品質変換で劣化するため避けましょう。
2. メタデータの登録例
| 項目 | 例 | 備考 |
|---|---|---|
| タイトル | 夜空シンフォニー | 曲名(記号は半角英数推奨) |
| アーティスト | Yayamomosusukeke feat. 初音ミク | ボカロ名は「feat.」で表記 |
| 作詞・作曲 | Yayamomosusukeke | JASRAC登録時もこの表記を使用 |
| アルバム名 | Vocaloid Production Vol.1 | EPなどの場合に使用 |
著作権・原盤権・二次利用の基礎知識
配信前に最も誤解が多いのが「著作権」と「原盤権」の違いです。
著作権とは
作詞・作曲・編曲など、音楽そのものを創作した人に自動的に発生する権利です。著作権は「登録しなくても発生」するため、他人の作品を無断で使うと侵害になります。
原盤権とは
録音された音源(マスター音源)に対する権利で、通常はレーベルや制作者が持ちます。
自分でミックス・マスタリングした場合は、自分が原盤権者になります。
二次利用の注意点
ボカロカバーやRemixを配信する際は、元曲の著作権者の許可が必要です。
特に有名曲のアレンジをYouTubeやSpotifyで公開する場合、許可なしでは収益化できません。
ボーカロイド・Synthesizer Vでのライセンス注意点
1. VOCALOIDの利用規約
クリプトン・フューチャー・メディア社の初音ミクなど、各ボカロ製品には「キャラクターライセンス」と「音声ライセンス」の2種類があります。商用利用時には各公式ガイドラインを確認しましょう。
2. Synthesizer Vの利用条件
Dreamtonics公式は、Synthesizer Vの音声利用に関して比較的自由度が高いものの、各音声ライブラリ提供元によって条件が異なります。
例:音源AI「Saki AI」や「Ryo AI」では商用利用が許可されていますが、配信プラットフォームによってはクレジット表記が求められる場合があります。
配信サービス別の推奨設定(Spotify / YouTube / ニコニコ)
| サービス名 | 推奨ラウドネス(LUFS) | 推奨形式 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Spotify | -14 LUFS | WAV / FLAC | 音量が高すぎると自動で減衰される |
| YouTube | -13〜-14 LUFS | WAV / MP4 | サムネとタイトル表記を統一 |
| ニコニコ動画 | -15 LUFS | MP4 / AAC | タグ登録で検索露出UP |
ラウドネスを一定にすることで、配信後に音量が急に下がる問題を防げます。Studio One 7の「Loudness Meter」で数値を確認し、必要に応じてリミッターを調整しましょう。
マルチバンド処理に関しては、以下のPreSonus公式動画が実践的です。
PreSonus公式「Using Multiband Dynamics in Studio One」
公開前のトラブル防止チェックリスト
- □ プロジェクトデータとマスターWAVの両方をクラウド保存した
- □ ノイズ・クリッピングがないかを再確認した
- □ ボーカルライブラリのライセンス規定を確認した
- □ メタデータ(タイトル・作者情報)を二重チェックした
- □ 配信先ごとのLUFS値を調整した
- □ ジャケット画像が配信規定サイズ(3000×3000px以上)である
- □ SNSやYouTube投稿用の説明文も準備済み
このリストを1つずつ確認していけば、配信後に「あ、間違ってた…」と後悔することはなくなります。
まとめと次回予告
今回は、ボーカロイド楽曲を安心して公開するための「配信前チェックリスト」と「著作権・ライセンスの基礎」を解説しました。
音質・メタデータ・ライセンスの3点を正しく整えることで、あなたの作品はより信頼性の高い“プロ品質”として認識されます。
次回(第32回)は「継続制作と収益化戦略|中級者からプロへの道」をテーマに、音楽活動を継続させるマインドセットと、収益化の具体的ステップを紹介します。
自分の音楽を「作品」から「活動」へと進化させるためのヒントを、次回もお届けします。
▶ Synthesizer V 公式サイト(Dreamtonics)
※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。