第24回:録音レベル設定とモニタリングの最適化|VOCALOID中級講座[AI]

ボーカロイド制作を行う上で、ミックス以前に重要となるのが「録音レベル」と「モニタリング環境」の整備です。
特に、Studio One 7 や Synthesizer V Studio Pro を使用している場合、正しい録音レベルの設定やモニタリング方法を理解していないと、どれだけ調声が上手くても音がこもったり、ミックス時に破綻したりします。
この記事では、DTM初心者~中級者が迷いやすい「録音レベルの基準」「モニタリング機材の選び方」「ケーブルや接続順序」「ノイズ対策」などを、実践例を交えながら詳しく解説します。

ボーカロイド ボカロ
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1. 録音レベル設定の基本原則

1-1. 録音レベルとは?

録音レベルとは、マイクや楽器から入力される信号の音量(入力ゲイン)のことです。
デジタル録音においては、信号が0dBFS(フルスケール)を超えるとクリッピング(音割れ)が発生します。
一方、レベルが低すぎるとノイズが目立ち、音質が劣化します。したがって、理想的な録音レベルの目安を知っておくことが重要です。

1-2. 理想的な録音レベルの目安

一般的に、ボーカルやギターなどの録音では以下のようなレベルが推奨されます。

入力ソースピークレベル目安平均レベル(RMS)備考
ボーカル(マイク)-6dBFS ~ -10dBFS-18dBFS前後強く歌っても0dBを超えないように調整
ギター(ライン入力)-8dBFS ~ -12dBFS-20dBFS前後アンプシミュレーター使用時は低めに設定
シンセ・外部音源-3dBFS ~ -6dBFS-12dBFS前後既に加工済み音源はやや高めでも可
オーディオインターフェース出力0dBu相当(アナログ基準)モニター環境に合わせて調整

Studio One のメーターブリッジを使えば、録音時のピークレベルをリアルタイムで確認できます。
録音前に「プリフェーダーメーター」をオンにして、トラックの入力レベルを正確に把握しましょう。

参考動画:PreSonus Studio One – How to Set Recording Levels & Metering


2. オーディオインターフェース設定のポイント

2-1. 入力ゲインの調整手順

録音機材の心臓部である「オーディオインターフェース」は、正しいゲイン設定が音質を大きく左右します。
ここでは一般的な手順を解説します。

  1. マイクや楽器を接続(XLRまたはTRSケーブル)
  2. ファンタム電源(+48V)が必要な場合はONにする
  3. 演奏や歌を実際の音量で出す
  4. ゲインノブをゆっくり上げ、メーターが-6dBFS付近で安定するように調整
  5. 0dBに到達しないよう、ピークを監視

2-2. サンプリングレートとビット深度の設定

高解像度で録音するほど編集耐性が高くなります。Studio Oneでは以下の設定が一般的です。

用途サンプリングレートビット深度備考
一般的なボカロ制作44.1kHz24bit音質と処理負荷のバランスが良い
プロフェッショナル用途48kHz24bit動画・映像用に最適
ハイレゾ制作96kHz32bit float大容量だが編集耐性が高い

Studio Oneメニューから「オーディオ設定」→「デバイス設定」で変更可能です。

公式参照:PreSonus Studio One公式サイト


3. モニタリング環境の最適化

3-1. モニター機材の選び方

録音時やミックス時に「正確な音を聴く」ためには、モニター環境が非常に重要です。
ここでは、ボーカロイド制作者向けにおすすめのモニタースピーカー・ヘッドホン・MIDIキーボード・オーディオインターフェースを紹介します。

カテゴリ製品名特徴公式サイト
オーディオインターフェースFocusrite Scarlett 2i2低ノイズ・安定した録音品質focusrite.com
MIDIキーボードAKAI MPK mini mk3コンパクトで打ち込みに最適akaipro.com
モニタースピーカーYAMAHA HS5フラットな特性で音の判断がしやすいyamaha.com
ヘッドホンAudio-Technica ATH-M50x高解像度で長時間モニタリングに適するaudio-technica.co.jp

3-2. スピーカーと机の配置

  • スピーカーは耳の高さ・正三角形の位置に設置
  • 壁との距離は30cm以上空ける
  • 机の反射を防ぐため、スピーカースタンドを使用
  • 部屋の中心ではなく、左右非対称配置にすることで定在波を回避

3-3. モニターレベルの基準

モニタリング音量が大きすぎると耳が疲れ、音バランスが狂います。
理想的なリスニングレベルは約83dB SPL。小さめの音量(70〜75dB程度)で確認し、 最終チェック時のみ大きめにして全体を確認するのがコツです。

参考動画:Studio Speaker Placement & Setup – Yamaha HS Series


4. ケーブルと接続順序の理解

4-1. ケーブルの種類と特徴

種類用途特徴備考
XLRケーブルマイク接続バランス接続でノイズに強いファンタム電源対応
TRSケーブルライン入出力バランス伝送・ステレオ対応インターフェース出力に使用
TSケーブルギター・ベースアンバランス・短距離向け長距離使用でノイズ注意
USBケーブルデジタル接続オーディオ信号の転送セルフパワー型ハブ推奨

4-2. 接続順序と整理方法

  1. マイク → オーディオインターフェース入力
  2. インターフェース出力 → モニタースピーカー
  3. MIDIキーボード → USBポート
  4. PC → 電源と別のタップに接続(ノイズ対策)
  • ケーブルは束ねず、ゆるやかにまとめる
  • ACアダプタの近くにオーディオケーブルを這わせない
  • マジックテープやケーブルボックスで机裏に固定

5. ノイズ対策の基本と実践

5-1. 電源系ノイズ

  • 電源タップはオーディオ専用とPC用を分ける
  • グラウンドループ防止用の絶縁アダプタを使用
  • USBハブはセルフパワー型に変更することで安定化

5-2. ケーブル・干渉ノイズ

  • オーディオケーブルと電源ケーブルは交差させる
  • 長距離配線はバランスケーブルを使用
  • Wi-Fiルーターやスマホをインターフェース近くに置かない

5-3. ソフトウェア的ノイズ対策

Studio One で録音時にノイズが入る場合は、以下を確認しましょう。

  • ASIOドライバを正しく選択(例:Focusrite ASIO)
  • バッファサイズを512~1024サンプルに設定
  • CPU負荷が高いプラグインは一時的にバイパス

6. 実践:録音からモニタリングまでの流れ

  1. マイク・機材を接続し、ゲインを設定
  2. Studio Oneのトラックを作成し、入力を確認
  3. 録音テストを行い、レベルが-6dBFS以内に収まるよう調整
  4. 録音後、ヘッドホンとスピーカーでバランス確認
  5. ノイズ・ピークを修正し、最終的にマスターレベルを調整

この手順を習慣化することで、録音品質が大幅に向上します。


7. 初心者~中級者が陥りやすいミス

  • ゲインを上げすぎてクリップする
  • スピーカーを壁際に置いて低音がこもる
  • ヘッドホンだけでミックスを完結させる
  • ケーブルを束ねてノイズを誘発
  • ASIO設定を忘れて遅延が発生

8. まとめ:正しい録音とモニタリングで“音の本質”を掴む

録音レベルとモニタリング環境の最適化は、ボーカロイド制作における「基礎の中の基礎」です。
正しく録音された素材は、後のミックスやマスタリングでの自由度を大幅に高めます。
Studio One と Synthesizer V を使う制作者こそ、録音段階から“音のクオリティ”を追求しましょう。

  • 録音レベルは -6dBFS を上限に
  • モニターは正三角形配置・音量は控えめに
  • ケーブルと電源の整理でノイズを防ぐ

この基本を守るだけで、あなたのボカロ作品の完成度は確実に向上します。

次回予告

第25回:「外部音源・ギター・ボーカル録音の実践」
実際にマイクや外部シンセを用いた録音手順を紹介し、トラックの作成から編集までの流れを詳しく解説します。


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※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。

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