第22回:コード進行の作り方と感情表現の使い分け|VOCALOID中級講座[AI]
ボーカロイド曲をより感情豊かに聴かせるためには、メロディや歌詞だけでなく、 「コード進行(ハーモニー)」の設計が非常に重要です。
同じメロディでも、下に敷くコードによって「切なさ」「希望」「緊張感」が全く変わります。
今回は、Studio One 7 と Synthesizer V Studio Pro を使用する中級者向けに、
コード進行の基本理論から感情表現の使い分けまで、実践的な視点で解説していきます。
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1. コード進行の基礎理解
1-1. コードとは何か
コード(和音)は、3つ以上の音を同時に鳴らした音の集まりです。音楽の「雰囲気」や「方向性」を支える土台であり、
メロディを感情的に聴かせる上で欠かせません。最も基本的なコードは「トライアド(三和音)」で、ルート音+3度音+5度音で構成されます。
| コード名 | 構成音 | 特徴 |
|---|---|---|
| Cメジャー | C – E – G | 明るく安定した響き |
| Aマイナー | A – C – E | 少し切なく落ち着いた印象 |
| Fメジャー | F – A – C | 柔らかく穏やかな響き |
| Gメジャー | G – B – D | 前向きで開放的 |
1-2. ダイアトニックコードを理解する
ダイアトニックコードとは、特定のスケール(例:Cメジャー)に含まれる音だけで構成された7つのコードです。
Cメジャースケールの場合、以下のようになります。
| スケール上の位置 | コード | 機能 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| I | C | トニック | 安定感・落ち着き |
| II | Dm | サブドミナント前 | 柔らかく繋ぐ |
| III | Em | 経過的 | 少し憂いのある響き |
| IV | F | サブドミナント | 広がりを感じさせる |
| V | G | ドミナント | 緊張と解決を作る |
| VI | Am | トニック代用 | 穏やかで優しい |
| VII | Bdim | 導音的 | 不安定で緊張感あり |
2. 感情を作り出すコード進行パターン
2-1. 明るい・前向きな印象
ポップスやボカロ曲でよく使われる、明るく安定した印象のコード進行:
C → G → Am → F (王道進行)
この進行は「希望」「青春」「爽やかさ」を感じさせる代表例で、多くのヒット曲でも使われています。
例えば、Synthesizer Vで「初音ミクAI」や「弦巻マキAI」などの明るいボイスに合わせると、ポップな雰囲気が自然に生まれます。
2-2. 切ない・感傷的な印象
Am → F → C → G (カノン進行)
「切なさ」「郷愁」「未練」などの感情を表すときによく使われます。
ボーカロイド楽曲では、サビでこの進行を使うと感情のピークを自然に演出できます。
2-3. 緊張感・ドラマチックな印象
Dm → G → C → A7
ドミナントモーション(G→C)とセカンダリードミナント(A7)を使うことで、緊張感と展開感を生み出します。
この手法は、バラードやドラマチックな展開を持つボカロ曲に適しています。
3. コード進行とメロディの関係
メロディがコードの構成音とぶつからないように注意することが大切です。
Studio One では「コードトラック」を活用することで、メロディを自動的にスケール内に補正できます。
Synthesizer V と連携させる場合は、MIDIデータを共有して、メロディとコードの整合性を取るのがおすすめです。
実践例:Studio One でコードを管理
- コードトラックを追加し、Cメジャーを設定
- MIDIキーボードで入力したメロディをスナップ
- スケールを変更して曲調の違いを比較
参考動画(Studio One公式チュートリアル):
Using The Chord Track in Studio One – Part 1 | PreSonus
4. 感情表現に合わせたコード選び
コード進行を感情別に使い分けることで、聴き手に伝わる印象を自在にコントロールできます。
| 感情カテゴリ | 代表コード進行 | ボーカロイド向けの例 |
|---|---|---|
| 明るい・希望 | C→G→Am→F | ポップで元気な女性ボイス(例:Saki AI) |
| 切ない・失恋 | Am→F→C→G | 柔らかい男声ボイス(例:Koharu Rikka AI) |
| 神秘的・幻想的 | Fmaj7→Em7→Am7→Dm7 | リバーブ多めのミックスと好相性 |
| 暗い・重厚 | Em→C→G→D | ロック系編曲に向く(例:Ritchy Voice) |
5. コードと感情表現の応用テクニック
5-1. テンションコードで深みを出す
メジャー7th、9th、sus4などを使うことで、コードの響きをよりリッチにできます。
特にバラード系のボカロ曲では、テンションコードの導入で一気にプロっぽい仕上がりになります。
5-2. コードの転回形で滑らかに繋ぐ
ベース音を工夫して、コード間のつながりを滑らかにすると、聴きやすくなります。
Studio One ではコードの「インバージョン」機能を使うと、自動的に滑らかに移行するパターンを試せます。
6. 実践:Studio One × Synthesizer V の連携で確認
コード進行をStudio Oneで打ち込み、Synthesizer VへMIDIを送信し、AI歌声で感情の変化を確認します。
Synthesizer V のパラメータ「Tension」や「Tone Shift」を変化させることで、
コード進行に合った感情表現をさらに引き立てることが可能です。
参考動画(Synthesizer V公式チュートリアル):
Synthesizer V Studio English Tutorial Pt.1 – Creating Your First Vocals
Synthesizer V Studio English Tutorial Pt.4 – Setting up Your Song with Voice-to-MIDI
7. ノイズ対策・ケーブル整理とモニタリング環境
作業時にノイズが乗ると、コード進行の美しさも損なわれます。以下のポイントに注意しましょう:
- オーディオインターフェースはノイズ耐性の高い製品を選ぶ(例:Focusrite Scarlettシリーズ)
- MIDIケーブルは短くまとめ、電源ケーブルと分けて配線する
- モニタースピーカーは耳の高さ・正三角形配置を意識
- 机周りに吸音材を設置し、低域の反射を防ぐ
まとめ
コード進行は、ボカロ曲における「感情の骨格」です。
今回紹介した王道進行からテンションコード、感情別の使い分けを理解すれば、
あなたのボーカロイド楽曲はより表現力豊かになります。
次回は、ボーカルと伴奏を一体化させるアレンジテクニックを解説します。
次回予告
第23回:「伴奏とボーカルを一体化させるアレンジテクニック」
— コード進行を生かしたアレンジとボカロ声の融合法を詳しく紹介します。
※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。