第15回:ベロシティ・ピッチ調整で表情豊かな歌声を作る[AI]

ボーカロイド・Synthesizer V の歌声をより人間らしく、感情豊かに表現するために欠かせないのが ベロシティ(Velocity)ピッチ(Pitch) の調整です。
今回の記事では、Synthesizer V Studio Pro を中心に、表情づけのテクニックとその実践方法を詳しく解説します。

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1. ベロシティとは?|歌声の立ち上がりと強弱のコントロール

ベロシティは、音の「立ち上がり速度」や「発音の勢い」を決めるパラメータです。ピアノの鍵盤でいうと、どれだけ強く叩くかに相当します。
Synthesizer V ではベロシティを調整することで、母音や子音の強さ、発音タイミングを細かくコントロールできます。

● ベロシティの効果

  • 数値を上げる → はっきりとした発音、力強い歌い出し
  • 数値を下げる → 柔らかく優しい歌声、語りかけるような表現

● 実際の活用例

たとえばバラード曲のAメロではベロシティを低めに設定し、サビで高めにすることで、自然な盛り上がりを作ることができます。

場面ベロシティ設定の目安
Aメロ(静か)40〜60
Bメロ(緊張感)60〜80
サビ(力強く)80〜100

このように、各セクションでベロシティを段階的に変化させることで、曲全体に自然な抑揚を作ることができます。


2. ピッチ調整で感情を吹き込む|Vocal Tuning の基本

ピッチ(Pitch)は音の高さを表すパラメータです。Synthesizer V ではピッチカーブを手動で描くことで、歌唱中の「揺れ」や「癖」を再現できます。
特に人間の歌声では、音程が完全にまっすぐではなく、微妙に上下することで感情が生まれます。

● ピッチ調整の目的

  • 不自然な音程のずれを補正する
  • 感情表現を加える(ビブラート、しゃくり、フォール)
  • セクションごとの歌い方の違いを作る

● ピッチ編集の手順(Synthesizer V Studio Pro)

  1. ピアノロール画面を開く
  2. 調整したいノートを選択
  3. 「ピッチラインを編集」モードに切り替える
  4. マウスドラッグでピッチカーブを描く

ピッチを上下に少し動かすだけでも、単調な歌声が一気に「人間らしさ」を帯びます。


3. ベロシティとピッチを組み合わせて表情を作る

ベロシティとピッチは単体でも効果的ですが、両方を組み合わせることで、より繊細な表現が可能になります。

組み合わせ例効果
高ベロシティ + わずかに上昇するピッチ力強く前向きな歌い出し
低ベロシティ + 緩やかに下降するピッチ切なさや余韻を感じさせる表現
中ベロシティ + 軽い揺れのピッチ自然で安定した歌唱

例えば、サビの「想いを伝える」ようなフレーズでは、ピッチをわずかに上げながらベロシティを上昇させることで、感情の高まりをリアルに表現できます。


4. Studio One 7 でのベロシティ編集連携

Synthesizer V 単体で調整するだけでなく、DAWである Studio One 7 と連携することで、MIDIノートやオートメーションを活かした表現が可能です。

● Studio One でのMIDIベロシティ調整手順

  1. トラックを開き、MIDIノートを選択
  2. 画面下部の「ベロシティバー」をドラッグして値を変更
  3. オートメーションで曲全体のダイナミクスを描く

Studio Oneの「ベロシティヒューマナイズ機能」を使うことで、完全に機械的な演奏を避け、自然なゆらぎを追加することも可能です。

▶ Studio One公式サイト(PreSonus)


5. よく使われるピッチ表現テクニック

(1)しゃくり上げ(Scoop Up)

ノートの頭を少し低く始め、滑らかに目的のピッチへ上げる手法です。日本語ボーカルでは特に多用されます。

(2)フォール(Fall)

語尾を下げるようにピッチを下降させるテクニックで、感情の抜けや寂しさを表現できます。

(3)ピッチ揺らぎ(Micro Tuning)

ごくわずかにピッチを上下させることで、歌声に「生っぽさ」を加えます。Synthesizer V の Pitch Deviation パラメータで実現可能です。


6. 表情付けに役立つ公式チュートリアルと参考動画

以下の動画や公式解説は、ベロシティやピッチ調整を学ぶのに非常に役立ちます。


7. 実践例:Aメロ〜サビでのベロシティ・ピッチの変化

ここでは、具体的な編集の流れを紹介します。

  1. Aメロ:ベロシティ 55〜65。ピッチは安定、わずかに低めスタート。
  2. Bメロ:ベロシティ 70〜80。ピッチを少し上昇カーブで勢いを出す。
  3. サビ:ベロシティ 90前後。ピッチをリズムに合わせて波打たせ、感情を最大化。

この3段階の変化を意識するだけでも、聴き手に「自然な感情の流れ」を感じさせることができます。


8. 編集効率を高めるポイント

● テンプレートを活用する

同じジャンルの楽曲では、毎回ベロシティやピッチ設定をゼロから作るのではなく、テンプレートとして保存しておくと効率的です。

● 表情を作る順序

  1. まずベロシティで基本の抑揚を作る
  2. 次にピッチで滑らかな動きを加える
  3. 最後にビブラートやブレスで仕上げる

この順序で調整することで、全体のバランスが崩れにくく、自然な表情が作れます。


9. ノイズを防ぐ接続・モニタリング環境の確認

音質確認の際には、モニター環境も大切です。
ノイズがあると正確なピッチ確認が難しくなるため、以下をチェックしましょう。

  • オーディオインターフェースの出力設定を適切に
  • USBケーブルを高品質なものに交換
  • ヘッドホンは密閉型を使用し、ノイズ漏れを防ぐ

機材の選び方については、第8回:制作を快適にするDTM周辺機材とケーブル接続の基本 でも詳しく解説しています。


10. まとめ

ベロシティとピッチの調整は、Synthesizer V の歌声を「機械音」から「感情ある歌声」へと変化させる重要なステップです。
どちらか一方ではなく、両方をバランスよく組み合わせることで、聴き手の心に響くボーカルを作り上げることができます。

焦らず少しずつ数値を変えながら、自分の理想の歌声を探していきましょう。


次回予告

次回(第16回)は、「ブレス・ビブラート・ダイナミクスの調声テクニック」をテーマに、よりリアルな人間的ニュアンスを作る方法を詳しく紹介します。
感情を「息遣い」や「声の揺れ」で表現するテクニックをマスターしていきましょう。


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※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。

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