第12回:度数の性格② 暗い響きの「短(マイナー)」の度数[AI]

こんにちは!AI音楽講師です。前回の第11回では、度数の「性格」について学び始め、「長(メジャー)」「完全(パーフェクト)」という、明るく安定した響きを持つファミリーを紹介しましたね。「長3度」がもたらす、あの太陽のような明るい響きは体感できましたでしょうか?

さて、第12回の今回は、光があれば影があるように、音楽のもう一つの側面、「暗い」「切ない」「悲しい」といった感情的な響きを生み出す、「短(たん)=マイナー」という性格の度数ファミリーについて、しつこく、じっくりと学んでいきます。

なぜ、音楽を聴いて涙が出ることがあるのか?なぜ、失恋ソングは私たちの胸を締め付けるのか?その秘密の大部分は、この「短(マイナー)」の響きに隠されています。今回、あなたがこの響きの正体を理解した時、音楽の感情表現を自由自在に操るための、もう一つの強力な武器を手に入れることになるでしょう!

コード進行
コード進行

理論学習①:「短(マイナー)」の正体は、“長(メジャー)”より少しだけ狭い関係

「短(マイナー)」という言葉の響きから、何か新しい複雑なルールが出てくるのかと身構える必要は全くありません。「短(マイナー)」の正体は、非常にシンプルです。

短(マイナー)の度数 = 対応する長(メジャー)の度数を、半音ぶん狭く(低く)したもの

これだけです!前回の「長(メジャー)」ファミリー(2度、3度、6度、7度)を基準に、その音程を半音だけキュッと縮めてあげると、彼らは「短(マイナー)」という性格に変化するのです。「長」が「広い」という意味なら、「短」は「狭い」という意味ですね。

超重要ポイント:このルールは、長(メジャー)ファミリーにのみ適用されます。前回学んだ「完全」ファミリー(1, 4, 5, 8度)は、半音狭くなると「減(げん)=ディミニッシュ」という別の名前に変化しますが、これは少し上級編なので、今は「完全ファミリーはマイナーにはならないんだな」とだけ覚えておけば完璧です。

理論学習②:音楽の「切なさ」の根源、「短3度(たんさんど)」

前回、「長3度」が音楽の明るさを決定づける最重要人物だとお伝えしました。となれば、もうお分かりですね。音楽に「暗さ」「切なさ」「悲しさ」といった感情を与える最重要人物、それが「短3度(Minor 3rd)」です。

では、そのレシピを具体的に見ていきましょう。

  • 前回の復習:「ド(C)」に対する長3度は「ミ(E)」でした。この距離は半音4つぶんでしたね。
  • ルールに従うと、「短3度」はこれを半音ぶん狭くすればいいので、半音3つぶんの距離になります。
  • 「ド(C)」から半音を3つ数えてみましょう。「C → C# → D → D#」。あれ?でも「D#」は「ミ♭(E♭)」と同じ音(異名同音)でしたね。3度の仲間なので、「ミ♭(E♭)」と呼びます。

そうです。「ド(C)」にとっての「短3度」は、「ミ♭(E♭)」の音なのです。

度数の正式名称Cからの音半音の数響きのイメージ
短2度 (m2)D♭ (レ♭)1個非常にぶつかる、不協和音
短3度 (m3)E♭ (ミ♭)3個最高に暗く、切ない響き(最重要!)
短6度 (m6)A♭ (ラ♭)8個哀愁漂う、エモーショナルな響き
短7度 (m7)B♭ (シ♭)10個ブルージーで、少し気だるい響き

Studio Oneでの実践:長3度 vs 短3度、響きの劇的ビフォーアフター

さあ、いよいよ音楽の感情が生まれる瞬間を、あなたの耳で直接体験していただきます。これぞ音楽理論の醍醐味です!

ステップ1:【Before】明るい「長3度」の響きを再確認

  1. Studio Oneで「Presence」トラックを作成し、ピアノロールを開きます。
  2. まず、基準となる「C3」の音と、その上に前回学んだ「明るさの源泉」である「E3」(長3度)を同時に鳴るように打ち込んでください。
  3. 再生して、あの太陽のような明るい響きをもう一度、耳に焼き付けてください。

ステップ2:【After】暗い「短3度」の響きに魔法をかける

ここからが魔法の時間です。たった1つの音を半音ずらすだけで、世界は一変します。

  1. 打ち込んである「E3」のノートを、矢印ツールでクリックして選択します。
  2. キーボードの「↓」(下矢印キー)を一度だけ押してみてください。
  3. どうでしょうか?「E3」のノートが、すぐ下の黒鍵である「E♭3」(D#3)に移動しましたね。これで「短3度」の完成です!
短3度
短3度

さあ、覚悟はいいですか?再生ボタンを押してみてください。

……いかがでしたか?さっきまでの太陽のような明るさはどこへやら、一瞬にして、まるで曇り空のような、少し物悲しく、切ない響きに変化しませんでしたか?たった半音。されど半音。この「長3度」と「短3度」の響きの違いこそが、音楽における「明」と「暗」、「喜び」と「悲しみ」を表現する、最も根源的なテクニックなのです。

第12回のまとめ

お疲れ様でした!今回は、音楽の「暗さ」「切なさ」を生み出す「短(マイナー)」の度数について学びました。

  • 「短(マイナー)」の度数は、対応する「長(メジャー)」の度数を半音ぶん狭くすることで生まれる。
  • この響きは、音楽に「暗い」「切ない」「悲しい」といった感情的な色彩を与える。
  • 特に「短3度」の響き(Cに対するE♭の音)は、音楽の「切なさ」を決定づける最も重要な要素である。
  • 「長3度」と「短3度」の響きの違いを理解することが、音楽の感情表現を理解する鍵となる。

これで、あなたは音楽の感情を司る2大巨頭、「長(メジャー)」と「短(マイナー)」の正体を、完全に理解しました。次回からは、いよいよこれらの知識を組み合わせて、音楽の基本となる「コード(和音)」の世界へと突入します。全ての準備は、本当に整いました!


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