【第16回】世界のフレーバーコーヒー事情｜アメリカ、ベトナム、中東[AI]

アメリカ、特にロードサイドにある「ダイナー（大衆食堂）」では、マグカップでおかわり自由のコーヒーをガブガブ飲む文化があります。
そこで圧倒的な人気を誇るのが「ヘーゼルナッツ」と「バニラ」です。

かつては「薄くて味気ないコーヒーを美味しくするため」に使われていましたが、今ではスーパーマーケットに巨大なフレーバー豆のコーナーがあるほど、生活の一部として定着しています。「朝のキッチンが良い匂いになるから」という理由で愛用する家庭も多いですね。

ベトナムは世界2位のコーヒー生産国ですが、実は「豆の焼き方」に大きな特徴があります。
焙煎する時に、なんとバターやニョクマム（魚醤）、カカオ、お酒などを加えて豆を炒めるのです（バターロースト）。

塩キャラメルのような、濃厚で香ばしい独特のコクが生まれます。これがベトナムで主流の「ロブスタ種」という豆のクセを消し、甘い練乳と抜群に合うんです。

また、最近では濃いコーヒーに凍らせたココナッツミルクのスムージーを乗せた「ココナッツコーヒー」も若者に大人気です。これは日本でも夏のアレンジとして流行り始めていますよ。

中東（トルコやサウジアラビアなど）では、コーヒーはスパイスと一緒に楽しむのが伝統です。
特に欠かせないのが「カルダモン」です。「スパイスの女王」とも呼ばれ、清涼感のある高貴な香りがします。

粉状にしたコーヒーとカルダモンを小さなポット（イブリック）で一緒に煮出し、粉が沈殿するのを待ってから上澄みを飲みます。お客様への「最大のおもてなし」として振る舞われる、非常に神聖で香り高い一杯です。

今回は世界のフレーバーコーヒー事情について解説しました。ポイントをおさらいしましょう。

• アメリカ：生活に根付いたヘーゼルナッツ＆バニラ。
• ベトナム：バターやカカオで豆を炒める濃厚な独自の製法。
• 中東：カルダモンなどのスパイスと一緒に煮出す伝統スタイル。

「コーヒーはこうあるべき」という固定観念を捨てると、楽しみ方はもっと広がります。
さて、次回は現実的な話題に戻りましょう。せっかく買ったフレーバーコーヒー、香りを長持ちさせるには？「第17回：フレーバーコーヒーの保存方法と賞味期限の真実」について解説します。冷凍保存はアリかナシか？その答えをお教えします。