【第11回】フレーバーの「レイヤリング（重ね合わせ）」テクニック[AI]

もちろん単体（シングルノート）でも美味しいですが、複数の香りを重ねた「ブレンドノート」には、高級感と飽きにくさが生まれるというメリットがあります。

例えば、高級ブランドの香水を思い浮かべてください。単に「バラの匂い」だけでなく、様々な香りが複雑に絡み合っていますよね？ コーヒーも同じで、香りをレイヤリングすることで、お店でしか飲めないような特別な一杯に変わるのです。

では、プロもよく使う鉄板の組み合わせ（マリアージュ）を3つご紹介しましょう。

1. チョコレート × オレンジ（柑橘）：
   フランス菓子の「オランジェット」のような味わい。濃厚なチョコの香りに、オレンジの爽やかさがアクセントになります。
2. キャラメル × ソルト（塩）：
   いわゆる「塩キャラメル」です。少量の塩を加えることで甘い香りが引き締まり、コクが増します。
3. バニラ × シナモン：
   バニラの甘さにスパイスの刺激が加わり、エキゾチックで大人な風味になります。チャイが好きな方におすすめです。

はい、キャラメルフレーバーのコーヒーに、ほんのひとつまみの塩を入れるだけです。驚くほど味が変わりますよ。

そこが一番のポイントです！「1対1」で混ぜるのは避けましょう。
どちらが主役かわからなくなり、ぼやけた味になってしまいます。

おすすめの黄金比率は「メイン 7 ： サブ 3」、もしくは「メイン 9 ： アクセント 1」です。

• 例（チョコ×ミント）：チョコをメインにして、ミントは最後にふわっと香る程度にする。

必ず「主役」を決めて、もう一つは「引き立て役」として使うのが、レイヤリングを成功させる秘訣です。

今回はフレーバーを組み合わせる「レイヤリング」について解説しました。ポイントをおさらいしましょう。

• メリット：香りを重ねることで、飽きのこない複雑で高級な味になる。
• 鉄板レシピ：「チョコ×オレンジ」「キャラメル×塩」は間違いなし。
• コツ：比率は「7:3」。主役と脇役をはっきりさせること。

シロップを2種類持っているなら、ぜひ今日から混ぜて実験してみてください。
次回は、市販のシロップを買うのではなく、自分で作ってみたい方向けに「第12回：自宅で作る『自家製フレーバーシロップ』のレシピ」をご紹介します。キッチンにある余ったスパイスや果物で簡単に作れますよ。