【第8回】定型作業を自動化する(構造化プロンプト)の基本[AI]
こんにちは!前回はパラメータ調整を学び、AIの「性格」をコントロールする方法を身につけましたね。これまでの自由なチャット形式の対話でもAIの賢さを十分に体験できたと思いますが、今回はさらに一歩進んで、AIを「あなた専用の自動化ツール」に変身させるテクニックを学びます。
その鍵となるのが、「構造化プロンプト」という考え方です。これは、特定のUI機能の名前ではなく、プロンプトの書き方の工夫のことです。毎回同じような作業をAIにお願いしている方は、この方法を覚えれば作業効率が劇的に向上しますよ。
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この記事でわかること
- 毎回同じ形式でAIに応答してもらう「構造化プロンプト」の基本概念
- AIに「役割」と「ルール」を与える方法
- 入力したい項目(変数)と、出力してほしい形式を指定する具体的な書き方
- 作成したプロンプトをテンプレートとして、定型作業を効率化する手順
この記事を読み終える頃には、あなたは単にAIと会話するだけでなく、AIに決まった仕事を正確にこなさせる「AIトレーナー」のようなスキルを身につけていることでしょう。
「構造化プロンプト」でAIをツールに変えよう
毎回「SNSの投稿文を考えてください。#ハッシュタグ を3つ付けて、親しみやすい口調で…」と長々と指示を入力するのは大変ですよね。「構造化プロンプト」とは、このような繰り返し行うタスクのために、あらかじめ「入力する項目」と「出力してほしい形式」のルールを定めた、プロンプトの設計図(テンプレート)のことです。
この設計図を用意しておくことで、あなたは毎回、変化する部分(例えば、商品の名前や特徴など)を少し書き換えるだけで、AIから常に一定の品質と形式のアウトプットを得られるようになります。まさに、自分だけのオリジナルツールを作るような感覚です。
ステップで学ぶ!SNS投稿文 生成ツールを作ってみよう
百聞は一見に如かず。ここでは、架空の「SNS投稿文 生成ツール」をプロンプトで作る手順を、ステップバイステップで見ていきましょう。
ステップ1:AIに「役割」と「最終目標」を教える
まず、AIに何者として振る舞ってほしいのか、その役割(ロール)を明確に指示します。そして、何を達成してほしいのかという最終目標を伝えます。これにより、AIの思考の方向性が定まり、応答の質が安定します。
【プロンプト例】
# 命令書
あなたは、経験豊富なSNSマーケティングのプロフェッショナルです。
以下の入力情報に基づいて、ユーザーの心をつかむ魅力的なInstagramの投稿文を作成してください。
ステップ2:「入力情報」の型を定義する
次に、毎回あなたがAIに与える情報が何かを、分かりやすく項目立てして定義します。[ ]のような記号で囲むと、後からどこを書き換えればよいか一目でわかるのでおすすめです。
【プロンプト例(続き)】
# 入力情報
- 商品名: [ここに商品名を入力]
- 特徴: [ここに商品の特徴を入力]
- ターゲット層: [ここにターゲット層を入力]
ステップ3:「出力形式」のルールを具体的に指示する
これが最も重要な部分です。AIに、どのような形式で答えを返してほしいのか、守ってほしいルールを箇条書きなどで具体的に指示します。絵文字の使い方、ハッシュタグの数、文字数など、細かければ細かいほど、あなたの期待に近いアウトプウトが得られます。
【プロンプト例(続き)】
# 出力形式のルール
- 親しみやすく、少しワクワクするような口調で書いてください。
- 文章の冒頭で、ターゲット層に呼びかける一文を入れてください。
- 必ず絵文字を3つ以上使ってください。
- 投稿の最後に、関連するハッシュタグを必ず5つ付けてください。
- 全体の文字数は150字程度にまとめてください。
ステップ4:Playgroundでテンプレートを実行する
さあ、これで設計図は完成です!ステップ1〜3で作成したプロンプト全体をコピーして、Playgroundに貼り付けてみましょう。そして、[ ]で囲まれた部分を、実際に考えたい商品の情報に書き換えて実行します。
【完成したプロンプトの実行例】
![【第8回】定型作業を自動化する(構造化プロンプト)の基本[AI] 2 プロンプト](https://zesys.net/blog/wp-content/uploads/2025/11/image-30-300x185.png)
![【第8回】定型作業を自動化する(構造化プロンプト)の基本[AI] 3 実行例](https://zesys.net/blog/wp-content/uploads/2025/11/image-31-300x209.png)
どうでしょうか?あなたが定義したルールに沿って、AIが毎回安定した品質の投稿文を生成してくれるようになったはずです。このプロンプトのテンプレートを保存しておけば、次回からは[ ]の中身を変えるだけで、いつでもこの「SNS投稿文 生成ツール」を呼び出すことができます。
まとめ:プロンプトの「型」を作って作業を自動化しよう
今回は、AIをあなた専用のツールにするための「構造化プロンプト」という考え方と、その基本的な作り方を学びました。
学んだことを振り返ってみましょう。
- 特定のUI機能がなくても、プロンプトの書き方を工夫することで、定型作業の自動化が可能であること。
- 優れた構造化プロンプトには、「役割」「入力情報」「出力形式のルール」の3つの要素が含まれていること。
- 一度作ったプロンプトのテンプレートを使い回すことで、作業効率が劇的に向上すること。
メールの返信、日報の作成、ブログ記事の構成案作りなど、あなたが日常的に行っている定型作業の多くは、この「構造化プロンプト」の考え方で自動化できる可能性があります。ぜひ、あなた自身の業務に合わせて、オリジナルの「AIツール」作りに挑戦してみてください。
次回は、この構造化プロンプトをさらに進化させ、AIにいくつか「お手本」を見せることで、精度を極限まで高める「Few-shotプロンプティング」という強力なテクニックを解説します。お楽しみに!
※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。