【第7回】AIの性格を操る「パラメータ調整」入門|TemperatureとTop-P/Kの違いとは?[AI]

こんにちは!前回は、目的に合わせて最適なAIの「頭脳(モデル)」を選ぶ方法を学びましたね。しかし、同じモデルを選んで、同じ指示(プロンプト)を出しても、AIの応答が毎回少しずつ違うことに気づいた方もいるかもしれません。実は、AIの応答の「性格」や「個性」は、私たちが自由に調整することができるのです。

その鍵を握るのが「パラメータ」と呼ばれる設定値です。今回は、このパラメータを調整して、AIを「真面目な回答者」にしたり、「創造的なアイデアマン」にしたりする方法を学びます。このテクニックをマスターすれば、AIとの対話がさらに面白く、そして思い通りに進められるようになりますよ。

Google AI Studio
Google AI Studio

この記事でわかること

  • AIの応答をコントロールする「パラメータ」の役割
  • AIの創造性を調整する最も重要な設定「Temperature(温度)」の使い方
  • 低いTemperatureと高いTemperatureで、AIの応答がどう変わるかの具体例
  • 【発展】AIが言葉を選ぶ仕組みに関わる「Top-P」と「Top-K」の概念

この記事を読み終える頃には、あなたはAIの性格を巧みに操る「AI調教師」への第一歩を踏み出していることでしょう。


AIの応答を操る「パラメータ」とは?

パラメータ」とは、AIの振る舞いを細かく制御するための、いわば「設定つまみ」のことです。Playground画面の右側にある設定エリアに、このパラメータを調整する場所が用意されています。

プロンプトが「何を話すか(What)」という指示だとすれば、パラメータは「どのように話すか(How)」を決める役割を持っています。同じ指示でも、このつまみを回すことで、AIの応答をより厳密にしたり、より多様にしたりすることができるのです。今回は、数あるパラメータの中でも、AIの創造性に最も大きな影響を与える「Temperature」に焦点を当てて見ていきましょう。

パラメータ
パラメータ

「Temperature(温度)」で創造性をコントロールしよう

Temperature(温度)」は、AIの応答の「ランダム性」や「意外性」を調整するためのパラメータです。値は0から1(またはそれ以上)の間で設定でき、この数値によってAIの性格が大きく変わります。

低いTemperature:真面目で、予測しやすい優等生

Temperatureの値を低く設定する(例えば0.2など)と、AIは最も確率の高い、一般的で堅実な言葉を選んで文章を生成するようになります。その結果、応答は非常に一貫性があり、予測しやすく、事実に基づいたものになりやすくなります。

  • 適した用途:文章の要約、質疑応答、正確な情報に基づいたテキストの分類など、正解が一つに決まっているようなタスク。

高いTemperature:ユニークで、予測不能な芸術家

逆に、Temperatureの値を高く設定する(例えば0.9など)と、AIはあえて確率の低い、珍しい言葉も選択肢に含めるようになります。これにより、応答はより創造的で、多様性に富み、時には驚くようなユニークなものになります。ただし、文脈から外れたり、少し変わった答えが返ってくるリスクも高まります。

  • 適した用途:ブレインストーミング、キャッチコピーの作成、物語の執筆など、新しいアイデアや多様な選択肢が欲しいクリエイティブなタスク。

ステップで体感!Temperatureによる応答の変化

それでは、実際にTemperatureを調整して、応答がどう変わるかを見てみましょう。

【お題プロンプト】
リンゴを使った、今までにない新しいお菓子の名前を3つ考えてください。

例1:Temperatureを「0.2」に設定した場合

【AIの応答例】

  • アップルクランチ・クッキー
  • しっとりリンゴのパウンドケーキ
  • キャラメルアップル・パイ

→ 非常に美味しそうで、実際に商品としてありそうな、堅実な名前が返ってきました。

例2:Temperatureを「0.9」に設定した場合

【AIの応答例】

  • 禁断の果実のささやきタルト
  • ニュートンのひらめきアップルパイ
  • 紅玉のメロディ・クランブル

→ 物語性を感じさせるような、ユニークで創造的な名前が返ってきました。ここから新しいアイデアが広がりそうですね。

このように、同じプロンプトでもTemperatureを調整するだけで、得られる結果の方向性を大きくコントロールできるのです。


【発展】AIが言葉を選ぶ仕組み「Top-P」と「Top-K」

現在のGoogle AI StudioのPlaygroundでは直接調整できませんが、AIの応答を制御するパラメータとして、「Top-P」と「Top-K」という重要な概念も存在します。これらは、AIが次にどの単語を選ぶかの「選択肢の絞り込み方」を定義するもので、APIなどを通じてより高度な開発を行う際に使われます。

Top-K:候補の数を「個数」で絞り込む

AIが次に生成する単語を、最も可能性が高い上位「K個」の候補の中から選ぶ方式です。例えば、K=3に設定すると、AIはどれだけ他の単語の可能性が高くても、必ず上位3つの候補の中からしか次の単語を選びません。シンプルですが、少し強引な絞り込み方です。

Top-P:候補の確率を「合計値」で絞り込む

こちらは、最も可能性が高い単語から順に候補に加え、それらの確率の合計値が「P」という敷居値を超えるまでを候補とする方式です。例えば、P=0.9(90%)に設定すると、AIは確率の合計が90%に達するまでの単語リストの中から次の単語を選びます。文脈によっては候補が3つになったり、10つになったりする、より柔軟な絞り込み方です。

Playgroundでは、これらの複雑な制御を「Temperature」という一つの分かりやすいパラメータに集約して、初心者でも直感的にAIの性格を調整できるようにしている、と理解しておくと良いでしょう。


まとめ:AIの「性格」を理解して使いこなそう

今回は、AIの応答の個性を決める「パラメータ」、特に「Temperature」の役割と使い方について詳しく学びました。

学んだことを振り返ってみましょう。

  • パラメータ」は、AIの応答の仕方を決める「設定つまみ」であること。
  • Temperature」はAIの創造性をコントロールする重要なパラメータであること。
  • 低いTemperatureは、要約や事実確認などの堅実なタスクに向いている。
  • 高いTemperatureは、アイデア出しなどのクリエイティブなタスクに向いている。
  • 目的に合わせてTemperatureを調整することで、AIから得られる結果の質を大きく向上させられること。

これからは、あなたがAIに何かをお願いする際に、「今回は真面目に答えてほしいからTemperatureを低めにしよう」「面白いアイデアが欲しいから高めに設定しよう」といった戦略的な使い方ができるようになったはずです。ぜひ、色々な設定を試して、あなたにとって最適なAIの性格を見つけてみてください。

次回は、自由な対話形式から一歩進んで、特定の目的を持った「自分専用ツール」を作るための「Build」機能の基本について解説します。お楽しみに!


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