第28回:【総仕上げ】これまでの全知識を使って、最強の「経営ダッシュボード」を作ろう [AI]
こんにちは!大手企業の経理担当兼、Excel講師です。
Level 1から始まったこの連載も、ついに最終回を迎えました。
ショートカットキーでセルを移動していたあの日から、関数を操り、ピボットテーブルを回し、マクロで自動化するところまで。
ここまでついてきてくれたあなたは、もう立派なExcelの達人です。
最後にお届けするのは、これまでの全スキルの集大成。
数字の羅列を、経営陣が一目で状況を把握できる「経営ダッシュボード」へと変身させるテクニックです。
「A部門の売上はどうなってる?」
そう聞かれたら、ボタンをポチッ。
一瞬でグラフが動き、必要な数字だけが浮かび上がる。
そんな、まるでSF映画のコックピットのような分析ツールを、Excelだけで作ってみましょう。
これが作れるようになれば、あなたの評価は「事務作業員」から「経営のパートナー」へと変わるはずです。
![第28回:【総仕上げ】これまでの全知識を使って、最強の「経営ダッシュボード」を作ろう [AI] 1 経理Excel](https://zesys.net/blog/wp-content/uploads/2025/11/経理Excel-300x200.png)
なぜ経理でこのスキルが必要なのか
経理の仕事は「正確な決算書を作ること」で終わりではありません。
その数字を使って、「経営者に正しい判断をさせること」こそが本来のゴールです。
しかし、役員会議で細かい数字がびっしり並んだ試算表(B/S, P/L)を配っても、誰も読んでくれません。
「で、結局うちは儲かってるの? どこが問題なの?」と聞かれて終わりです。
ダッシュボード(計器盤)とは、「今の状況が一目でわかる画面」のこと。
車の運転席にあるスピードメーターと同じです。
専用のBIツール(Power BIやTableauなど)もありますが、現場ではまだまだExcelが主役。
「誰もが使い慣れたExcelで、BIツール並みの分析画面を作る」。
このスキルは、あなたの市場価値を確実に高めます。
【実践】今回のサンプル成果物
今回は、売上データを元に、以下の要素を備えたダッシュボードを作成します。
- 推移グラフ:月ごとの売上の流れを見る。
- スライサー(ボタン):クリック一つで「東京支店だけ」「商品Aだけ」に絞り込む。
- スパークライン:表の中に小さな折れ線グラフを埋め込む。
練習用サンプルデータ
以下の表をコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けてください。
| 日付 | 支店 | 商品 | 売上金額 |
|---|---|---|---|
| 2024/4/1 | 東京 | ノートPC | 150000 |
| 2024/4/5 | 大阪 | マウス | 2000 |
| 2024/4/10 | 東京 | モニター | 30000 |
| 2024/5/1 | 大阪 | ノートPC | 150000 |
| 2024/5/15 | 東京 | マウス | 4000 |
| 2024/6/1 | 東京 | ノートPC | 300000 |
| 2024/6/10 | 大阪 | モニター | 60000 |
| 2024/7/1 | 東京 | マウス | 5000 |
| 2024/7/20 | 大阪 | ノートPC | 450000 |
| 2024/8/1 | 大阪 | モニター | 90000 |
手順解説:3つのパーツを組み上げる
Step 1. データをテーブル化してピボットグラフを作る
まずは土台作りです。
- 表の中をクリックし、
Ctrl+Tでテーブルに変換します(Level 4の復習!)。 - 「挿入」タブ > 「ピボットグラフ」をクリックします。
(ピボットテーブルの横にあります) - 新しいシートが作成されたら、フィールド設定をします。
- 軸(カテゴリー):「日付」をドラッグ(自動で月・四半期になります)。
- 値:「売上金額」をドラッグ。
これで、画面に「棒グラフ」が表示されましたね。
これがダッシュボードのメイン画面になります。
Step 2. 「スライサー」という魔法のボタンを配置する
ここからが本番です。グラフを動かすリモコンを作ります。
- 作成したピボットグラフ(または表)をクリックして選択します。
- 上部の「ピボットグラフ分析」タブ > 「スライサーの挿入」をクリックします。
- 「支店」と「商品」にチェックを入れて「OK」を押します。
画面に2つのウィンドウ(ボタンの集合体)が現れましたね? これがスライサーです。
試しに「東京」ボタンを押してみてください。
グラフが一瞬で「東京だけのデータ」に切り替わりましたか?
「Ctrlキー」を押しながら複数のボタンを選べば、「東京のノートPCだけ」といった複合条件も一発です。
Step 3. 表の中にグラフを埋め込む「スパークライン」
最後に、細かい数字のトレンドを一覧で見せるテクニックです。
(※これはピボットテーブルとは別の、通常のセル操作で行います)
空いているセルに、以下のような集計表を作ったと仮定してください。
(練習用に手入力してください)
| 商品 | 4月 | 5月 | 6月 | 推移(ここに入れる) |
|---|---|---|---|---|
| ノートPC | 15 | 15 | 30 | |
| マウス | 0.2 | 0.4 | 0 |
- 「推移」の列(E2:E3)を選択します。
- 「挿入」タブ > 「スパークライン」グループの「折れ線」をクリックします。
- データ範囲に、数値が入っている B2:D3 を選択して「OK」を押します。
セルの中に、極小サイズの折れ線グラフが表示されました!
これがスパークラインです。
「数字だけだと増えてるのか減ってるのか分からない」という表にこれを添えるだけで、視認性が劇的に向上します。
ベテラン経理の「ここだけの話」
ダッシュボードを作る時に、気合いを入れてカラフルにしてしまう人がいますが、これは逆効果です。
「色は3色まで」。
これがプロのデザインルールです。
例えば、基本は「グレー」、強調したい売上線だけ「濃い青」、赤字部分だけ「赤」。
これくらいシンプルにしないと、経営者は「どこを見ればいいんだ?」と迷子になってしまいます。
また、グラフの「目盛線(背景の横線)」や「凡例」も、邪魔なら思い切って消しましょう。
「引き算の美学」。これこそが、伝わるダッシュボードの極意です。
まとめ:そして伝説の経理へ
全28回のカリキュラム、本当にお疲れ様でした!
最後に学んだ「ダッシュボード」は、あなたが手に入れた数々の武器を組み合わせた最強のツールです。
- テーブルでデータを守り、
- ピボットテーブルで集計し、
- グラフで可視化し、
- スライサーで対話的に操作する。
これだけのことができれば、あなたはもうExcel初心者ではありません。
どこの会社に行っても即戦力として、そして現場のリーダーとして活躍できるスキルを持っています。
Excelは単なる「表計算ソフト」ではなく、あなたの仕事を助け、価値を高めてくれる「相棒」です。
このブログで学んだことを土台に、ぜひ実務の現場であなただけの工夫を積み重ねていってください。
あなたの経理ライフが、Excelの力で輝かしいものになることを、心から応援しています。
ありがとうございました!
※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。
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