第26回:毎月のコピペ作業にさようなら。「マクロの記録」で定型業務を自動化する第一歩 [AI]
こんにちは!大手企業の経理担当兼、Excel講師です。
毎月の「締め日」や「月次決算」。
あなたは、いつも「まったく同じ手順」の作業を繰り返していませんか?
- システムからCSVデータをダウンロードする。
- 不要な1行目~3行目を削除する。
- 見出しに色をつけて、文字を太くする。
- 金額の列に「円マーク」をつける。
- 列の幅を整えて、印刷範囲を設定する。
「この作業、毎月やってるなぁ…虚しいなぁ…」と感じたことがあるなら、今日がその卒業日です。
第26回のテーマは、Excelの自動化機能「マクロ」です。
「マクロ? プログラミングでしょ? 無理無理!」と逃げないでください。
今回使うのは「マクロの記録」という機能。これはプログラミングではなく、あなたの操作を録画・再生するビデオのようなものです。
コードは一行も書きません。ボタンを一つ作るだけ。
それだけで、毎月30分かかっていた単純作業が、来月からは「3秒」で終わります。
![第26回:毎月のコピペ作業にさようなら。「マクロの記録」で定型業務を自動化する第一歩 [AI] 1 経理Excel](https://zesys.net/blog/wp-content/uploads/2025/11/経理Excel-300x200.png)
なぜ経理でこのスキルが必要なのか
経理の仕事はルーチンワークの塊です。
しかし、人間は「同じことを繰り返す」のが苦手な生き物です。疲れていると、つい行を消しすぎたり、桁を間違えたりします。
マクロの最大のメリットは、スピードもさることながら「再現性(さいげんせい)」にあります。
あなたが一度教えた手順(記録した操作)を、Excelは文句も言わず、疲れもせず、1ミリの狂いもなく毎回完璧に実行してくれます。
「手順を思い出して、マニュアルを見ながら作業する」という脳のメモリを使わなくて済むので、もっと重要な「分析」や「判断」に集中できるようになるのです。
【実践】今回のサンプル成果物
今回は、会計システムから出力された「使いにくいCSVデータ」を、一瞬で「見やすい管理表」に整形するツールを作ります。
練習用サンプルデータ
以下の表をコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けてください。
| sys_export_date:20240401 | |||
|---|---|---|---|
| user:admin01 | |||
| id | date | item | amount |
| 101 | 2024/4/1 | 消耗品費 | 5000 |
| 102 | 2024/4/2 | 旅費交通費 | 12000 |
| 103 | 2024/4/5 | 会議費 | 3000 |
現状の課題:
1行目と2行目にシステムが出力した余計な情報(ゴミ)が入っています。
3行目の見出しも英語(id, date…)でわかりにくいです。
これらを整理する手順をマクロに記録させます。
手順解説:あなたの操作を「録画」する
マクロを使うには、まず「開発」タブを表示させる必要があります。
Step 1. 「開発」タブを表示する(最初の1回だけ)
画面上に「開発」というタブがない場合は、以下の手順で出してください。
(すでにある人はStep 2へ!)
- リボン(メニュー部分)の空いているところを右クリックし、「リボンのユーザー設定」を選びます。
- 右側のリストにある「開発」にチェックを入れます。
- 「OK」を押します。これで「開発」タブが登場しました。
Step 2. マクロの記録を開始する
ここからが本番です。「録画ボタン」を押したら、余計な操作はしないでくださいね。
- 「開発」タブをクリックし、左側にある「マクロの記録」ボタンを押します。
- マクロ名に「データ整形」と入力し、「OK」を押します。
さあ、録画が始まりました!
(画面左下のステータスバーに「■(停止ボタン)」が表示されていれば録画中です)
Step 3. 整形作業を行う(録画中)
いつも通りの操作を丁寧に行います。
- 不要な行を消す:
行番号の「1」と「2」をドラッグして選択し、右クリック > 「削除」を選びます。
(英語の見出しが1行目に上がってきましたね) - 見出しを日本語にする:
A1セルに「ID」、B1に「日付」、C1に「科目」、D1に「金額」と上書き入力します。 - 見出しを装飾する:
A1からD1を選択し、背景色を「黄色」、文字を「太字」、配置を「中央揃え」にします。 - 金額にカンマをつける:
D列(金額)を選択し、Ctrl+Shift+1(または桁区切りスタイルボタン)を押します。 - 列幅を整える:
A列からD列を選択し、列番号の境界線をダブルクリックして自動調整します。 - 最後にA1セルを選択する:
処理が終わったことがわかるよう、最後にA1セルをクリックしておきます。
Step 4. 記録を終了する
操作が終わったら、忘れずに録画を止めます。
- 「開発」タブにある「記録終了」ボタンを押します。
(または画面左下の「■」ボタンを押します)
これでおしまいです!あなたの操作がExcelに記憶されました。
Step 5. 実行ボタンを作る
いちいちメニューから呼び出すのは面倒なので、ボタンを作りましょう。
- 「開発」タブ > 「挿入」 > 「ボタン(フォームコントロール)」(左上の四角いボタン)をクリックします。
- F1セルあたりに適当な大きさでドラッグしてボタンを描きます。
- 「マクロの登録」画面が出るので、さっき作った「データ整形」を選んで「OK」を押します。
- ボタンの名前を「整形実行」などに書き換えます。
★実験してみよう!
一度、Ctrl + Z で作業前の状態に戻すか、もう一度サンプルデータを貼り直して、元の汚い状態にしてください。
そして、今作った「整形実行」ボタンをポチッと押してみてください。
……一瞬で、きれいな表になりましたか? 感動の一瞬です!
ベテラン経理の「ここだけの話」
マクロを使う上で、絶対に覚えておかなければならない「鉄の掟」があります。
それは、「マクロを実行すると『元に戻す(Undo)』ができない」ということです。
Ctrl + Z が効きません。
もし間違ったマクロを実行して大切なデータを消してしまったら、基本的には取り返しがつきません。
ですので、慣れるまでは以下のルールを守ってください。
- マクロを実行する前に、必ず「上書き保存(Ctrl+S)」をしておく。
- もし失敗したら、保存せずにファイルを閉じて、開き直す。
また、マクロを含んだExcelファイルを保存する時は、拡張子を通常の「.xlsx」ではなく、「Excel マクロ有効ブック (.xlsm)」にする必要があります。
これを忘れると、せっかく作ったマクロが消えてしまうので注意してくださいね。
まとめ
第26回では、自動化の第一歩「マクロの記録」を体験しました。
- 「開発」タブを表示させるところからスタート。
- 「マクロの記録」→「いつもの操作」→「記録終了」の3ステップ。
- プログラムが書けなくても、Excelがあなたの操作を覚えてくれる。
- ボタンに登録すれば、ワンクリックで業務完了。
- 注意:マクロ実行後は「元に戻す」ができない!
「自分には難しそう」と思っていたマクロも、これならできそうじゃありませんか?
まずは「毎月必ずやる、単純な整形作業」から自動化してみてください。
次回は、マウス操作すら不要にする「キーボードショートカットの向こう側」。Alt キーを使った「アクセスキー」の世界へご案内します。
リボンメニューの奥にある機能も、キーボードだけで呼び出せるようになれば、あなたはもう完全に「Excelの達人」です。
※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。