第25回:重複データは許さない。経理の突合(チェック)作業を爆速化する方法 [AI]
こんにちは!大手企業の経理担当兼、Excel講師です。
経理の仕事の中で、最も地味で、最も時間がかかり、そして最も精神を削られる作業。それは「突合(とつごう)」ではないでしょうか?
「請求書の控え」と「銀行の入金明細」を見比べて、一致するものに蛍光ペンで線を引いていく。
「クレジットカードの利用明細」と「社員からの経費申請」を突き合わせて、漏れがないかチェックする。
件数が10件ならいいですが、数百件、数千件になると、もはや人間がやる仕事ではありません。
第25回のテーマは、この突合地獄からあなたを救う「重複データのチェックテクニック」です。
Excelの機能を使えば、蛍光ペンのキャップを開けるよりも早く、一瞬で「一致」と「不一致」を見分けることができます。
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なぜ経理でこのスキルが必要なのか
突合(消込)作業における最大のリスクは、「見間違い」と「二重計上」です。
- 金額「10,000」と「100,000」を見間違えて消し込んでしまった。
- 同じ領収書が2回申請されているのに気づかず、二重に精算してしまった。
特に「二重払い」は、会社のキャッシュを流出させる重大なミスです。
しかし、人間の目視チェックには限界があります。
Excelの「条件付き書式」や「重複の削除」機能を使えば、機械的に、かつ冷徹に重複を判定してくれます。
「チェックは機械に任せて、人間は『合わなかったもの』の調査だけに集中する」。
これが、プロ経理の仕事の回し方です。
【実践】今回のサンプル成果物
今回は、経理でよくある「銀行の入金明細」と「自社の売掛金台帳」の突き合わせ(入金消込)を行います。
両方のリストを並べて、一致するもの(重複しているもの)を一瞬で見つけ出しましょう。
練習用サンプルデータ
以下の表をコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けてください。
| ▼自社データ(売掛帳) | ▼銀行データ(通帳) | |||
|---|---|---|---|---|
| 日付 | 取引先 | 金額 | 日付 | 金額 |
| 4/30 | (株)アルファ | 10000 | 4/30 | 10000 |
| 4/30 | ベータ建設 | 55000 | 4/30 | 3200 |
| 4/30 | ガンマ物流 | 3200 | 5/1 | 8400 |
| 4/30 | デルタ工業 | 12000 | 5/2 | 5000 |
| 5/1 | (株)イプシロン | 8400 |
状況整理:
左側が「入金予定のリスト」、右側が「実際に入金されたリスト」です。
パッと見た感じ、一致しているものと、していないものがありそうですね。
手順解説:2つの「重複」テクニック
Technique 1. 「条件付き書式」でマッチングする
まずは、一番簡単な方法です。「2つの列に同じ金額があったら色をつける」という作戦です。
- 比較したい範囲を選択する
Ctrlキーを押しながら、左側の金額列(C3:C7)と、右側の金額列(E3:E6)をドラッグして、飛び飛びで選択します。
(2つの範囲が選択されている状態にします) - 「重複する値」を選ぶ
「ホーム」タブ > 「条件付き書式」 > 「セルの強調表示ルール」 > 「重複する値」をクリックします。 - OKを押す
設定画面が出ますが、そのまま「OK」を押します。
(デフォルトでは「濃い赤の文字、明るい赤の背景」になります)
結果を確認しましょう:
色がついたセル(10000, 3200, 8400)は、左右両方に存在した(=入金確認OK)データです。
色がついていないセル(55000, 12000, 5000)は、片方にしかなかった(=未入金、または不明入金)データです。
一瞬で勝負がつきましたね!
Technique 2. 「重複の削除」でユニークなリストを作る
次は、別のシーンで役立つ機能です。
「取引履歴データから、取引先のマスタ(重複のないリスト)を作りたい」という場合に便利です。
- 取引先名をコピーする
B列の取引先名(B3:B7)をコピーして、空いている場所(例えばG列)に貼り付けます。 - 重複の削除を実行する
貼り付けたG列を選択した状態で、「データ」タブにある「重複の削除」ボタンをクリックします。
(データツールのグループにあります) - 完了
「1個の重複する値が見つかり削除されました」といったメッセージが出ます。
これで、重複のない「一意(ユニーク)」なリストが出来上がります。
VLOOKUPやSUMIFSの集計キーを作る時に非常に重宝します。
ベテラン経理の「ここだけの話」
先ほどの「金額だけでマッチング」には、実は大きな落とし穴があります。
それは「偶然の一致」です。
例えば、A社からの入金が10,000円、B社からの入金もたまたま10,000円だった場合。
金額だけで判定すると、実際にはA社しか入金していないのに、B社も入金済みと誤判定されてしまうリスクがあります。
プロの経理はどうするか?
前回の記事(Level 5-2)で紹介した &(アンパサンド) を使って、「最強の照合キー」を作ります。
= 日付 & 取引先 & 金額
このように複数の情報を結合した列を、左の表と右の表それぞれに作り、その「結合列」に対して条件付き書式の重複チェックをかけるのです。
「4/30(株)アルファ10000」
これなら、偶然の一致が起きる確率はほぼゼロになります。
突合は「キー(照合鍵)」の精度が命。これを覚えておいてください。
まとめ
第25回では、目視チェックを廃止するための重複判定テクニックを学びました。
- 2つのリストを選択して「条件付き書式 > 重複する値」を設定すれば、一致データが一瞬でわかる。
- 色がついていないデータこそが、経理が調査すべき「差異」である。
- マスタ作りには「データ > 重複の削除」機能が便利。
- 精度の高い突合をするなら、
&でデータを結合してユニークなキーを作ろう。
これで、チェック作業の時間は10分の1以下になります。
浮いた時間で、差異の原因調査や、より付加価値の高い分析業務に取り組みましょう。
次回は、いよいよLevel 5の真骨頂。
これまで学んだ操作を録画して、ボタン一つで再生する「マクロの記録」に挑戦します。
プログラミング知識ゼロでもできる自動化の第一歩です。お楽しみに!
※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。
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