第24回:会計ソフトへのインポート用にデータを加工!LEFT/RIGHT/TEXT関数テクニック [AI]
こんにちは!大手企業の経理担当兼、Excel講師です。
経理の仕事において、Excelで作ったデータ(給与データや経費精算データ)を、会計ソフトや給与システムに「インポート(取り込み)」する作業は避けて通れません。
しかし、いざインポートボタンを押すと…
「エラー:日付の形式が正しくありません」
「エラー:部門コードは3桁で入力してください」
こんな無慈悲なエラーメッセージが出て、結局手作業で数百行のデータを修正した経験はありませんか?
「Excelでは『2024/4/1』なのに、システムは『20240401』じゃないと受け付けない…」なんてことは日常茶飯事です。
第24回のテーマは、こうしたデータの形を整える「文字列操作関数(LEFT, RIGHT, MID, TEXT)」です。
これらを使いこなせば、システムが欲しがる形にデータを一瞬で整形する「データ変換ツール」を自分で作れるようになります。
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なぜ経理でこのスキルが必要なのか
多くの会計システムや銀行の振込データ(全銀フォーマット)は、非常に厳格なルールを持っています。
- 日付は「YYYYMMDD」の8桁でなければならない。
- コードは「001」のように頭にゼロが必要(数値の1ではダメ)。
- 摘要欄には「部門名+氏名」が入っていなければならない。
これらを手入力で直そうとすると、膨大な時間がかかる上に、打ち間違いのリスクがあります。
特に「コードの頭のゼロ」などは、Excelが勝手に消してしまうこともあり、経理担当者を悩ませる種です。
関数を使って「元のデータはそのままで、変換用の列を作る」。
このスキルは、複数のシステムを連携させる現代の経理実務において、最強の潤滑油となります。
【実践】今回のサンプル成果物
今回は、部署から上がってきた「経費申請リスト」を、会計ソフトに取り込める形式(仕訳データ形式)に加工・変換します。
練習用サンプルデータ
以下の表をコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けてください。
| ▼元データ | ▼加工後データ | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 申請ID | 日付 | 金額 | 部門コード(Left) | 枝番(Right) | 日付文字列(Text) | 摘要(結合) |
| 101-A | 4/1 | 5000 | (数式1) | (数式2) | (数式3) | (数式4) |
| 102-B | 4/15 | 12000 | ||||
| 201-A | 5/2 | 300 | ||||
| 999-Z | 12/10 | 9800 |
ミッション:
A列の「申請ID」は、「部門コード(3桁)」+「ハイフン」+「枝番(1桁)」で構成されています。
これを分解し、さらに日付や摘要をシステム用フォーマットに変換します。
手順解説:文字を「切る」「整える」「繋ぐ」
Step 1. 左から文字を抜き出す(LEFT関数)
まずは「101-A」から、左側の部門コード「101」だけを抜き出します。
使うのは LEFT(レフト)関数 です。
=LEFT(文字列, 文字数)
- D3セルを選択します。
=LEFT(と入力し、A3セル(101-A)をクリックします。- カンマ
,を打ち、「左から何文字欲しいか」を指定します。
今回は3桁なので 3 と入力します。 - 括弧を閉じてEnter。
数式: =LEFT(A3, 3)
結果:「101」が抜き出せました。
Step 2. 右から文字を抜き出す(RIGHT関数)
次は「101-A」の右端にある枝番「A」を抜き出します。
使うのは RIGHT(ライト)関数 です。
=RIGHT(文字列, 文字数)
- E3セルを選択します。
=RIGHT(と入力し、A3セルをクリックします。- カンマ
,を打ち、右から 1 文字欲しいので 1 と入力します。 - 括弧を閉じてEnter。
数式: =RIGHT(A3, 1)
結果:「A」が抜き出せました。
※補足:MID関数について
もし「真ん中の文字」を抜き出したい場合は MID(ミッド)関数 を使います。=MID(A3, 5, 2) (A3セルの5文字目から2文字抜く)のように使います。
Step 3. 日付を8桁の数字に変換する(TEXT関数)
ここが最重要です。Excelの日付(シリアル値)を、システム用の「YYYYMMDD」形式の文字列に変換します。
使うのは TEXT(テキスト)関数 です。
=TEXT(数値, "表示形式")
- F3セルを選択します。
=TEXT(と入力し、日付が入っている B3セル をクリックします。- カンマ
,を打ち、ダブルクォーテーションで囲って形式を指定します。
“yyyymmdd” と入力します。 - 括弧を閉じてEnter。
数式: =TEXT(B3, "yyyymmdd")
結果:「20240401」という8桁の文字列になりました!
このTEXT関数は、=TEXT(C3, "#,##0円") のように金額に「円」をつける時などにも使える、まさに「神関数」です。
Step 4. 文字をつなげて摘要を作る(&演算子)
最後に、これらを組み合わせて「摘要欄」を作ります。
「部門コード」+「スペース」+「枝番」という形にしましょう。
文字をつなぐ糊(のり)の役割をするのが & (アンパサンド) です。
- G3セルを選択します。
=を入力し、D3セル(101)をクリック。&を入力し、つなぎのスペースを入れるために" "(ダブルクォーテーションの中にスペース)を入力。- さらに
&を入力し、E3セル(A)をクリック。
数式: =D3 & " " & E3
結果:「101 A」という文字が結合されました。
ベテラン経理の「ここだけの話」
こうして関数で加工したデータですが、このままCSV形式で保存したり、別の場所にコピペしたりするとトラブルが起きることがあります。
なぜなら、セルの中身はまだ「計算式(=LEFT…)」のままだからです。
インポート用データを作る時の鉄則。
それは「最後は『値として貼り付け』で数式を消す」ことです。
- 加工したデータ範囲をコピーする(Ctrl+C)。
- そのまま同じ場所(または別のシート)に、右クリック > 「値の貼り付け(123というアイコン)」をする。
これで、数式が消えて純粋な「文字データ」になります。
この「値貼り(あてばり)」をして初めて、システムに取り込めるデータになるのです。
関数で加工したら値貼り。これをセットで覚えておいてください。
まとめ
第24回では、データをシステム仕様に合わせるための加工テクニックを学びました。
- LEFT / RIGHT / MID:文字を左・右・真ん中から切り出す。
- TEXT:日付や数値を、好きな形の文字列(YYYYMMDDなど)に変換する。
- &(アンパサンド):セルとセル、文字と文字をくっつける。
- 仕上げは必ず「値として貼り付け」で数式を消すこと。
これで、どんなにわがままな会計システムのインポート仕様書を渡されても、Excel上でササッとデータを作れるようになります。
次回は、経理担当者が最も神経をすり減らす作業「突合(とつごう)」を効率化します。
2つの表を見比べて、「重複データ」や「片方にしかないデータ」を一瞬で見つけるテクニックを紹介します。蛍光ペンでのチェック作業とはサヨナラしましょう!
※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。