第18回:データ件数を数えろ!COUNTIFS関数で「未回収案件」の数を把握する [AI]
こんにちは!大手企業の経理担当兼、Excel講師です。
前回は、金額を条件付きで合計する「SUMIFS関数」を学びました。
今回は「金額」ではなく、「件数(数)」にフォーカスします。
月末の忙しい時期、上司からこんなことを聞かれませんか?
「今月、まだ入金がない会社って何社残ってる?」
「領収書のチェック、あと何件残ってる?」
この時、画面を指差しながら「えーと、1、2、3…」と数え始めると、上司は不安になります。
第18回のテーマは、データの個数を瞬時に数える「COUNTIFS(カウント・イフス)関数」です。
「未回収案件の数」や「処理済みの伝票数」をパッと答えられるようになれば、あなたの進捗管理能力は格段に上がります。
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なぜ経理でこのスキルが必要なのか
「件数なんて、フィルターをかけて画面右下のステータスバーを見ればわかるじゃないか」
そう思うかもしれません。
確かに自分ひとりで確認するだけならそれでもOKです。
しかし、経理の実務では「報告資料」を作る必要があります。
- 「部門別の未回収件数レポート」を毎朝メールで送る。
- 「エラーデータの件数推移」をグラフにする。
いちいちフィルターをかけて、数をメモして、表に入力して…という手作業は、ミスの温床です。
関数を使って「データが増減したら、件数も勝手に更新される」状態を作っておくのが、スマートな経理の仕事術です。
【実践】今回のサンプル成果物
今回は、請求一覧表の中から「まだ入金されていない(日付が空欄の)件数」と「入金済みの件数」を自動集計する管理表を作ります。
練習用サンプルデータ
以下の表をコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けてください。
| ▼請求データ | ▼集計サマリ | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 取引先名 | 請求金額 | 入金日 | 項目 | 件数 | |
| (株)アルファ | 10000 | 4/30 | 全データ件数 | (数式1) | |
| ベータ建設 | 55000 | 回収済み件数 | (数式2) | ||
| ガンマ物流 | 3200 | 4/30 | 未回収件数 | (数式3) | |
| デルタ工業 | 12000 | ||||
| (株)イプシロン | 8400 | 5/1 |
データの状況:
C列(入金日)が入っているところと、空欄のところがあります。
これを数えていきます。
手順解説:3つの「数える」関数を使い分ける
数を数える関数にはいくつか種類がありますが、経理で使うのは主に以下の3つです。
- COUNTA(カウント・エー):空白以外(文字や数字)が入っているセルを数える。
- COUNTIFS(カウント・イフス):条件に合うセルを数える。
※似た関数に COUNT(数字だけ数える)や COUNTIF(条件1つだけ)がありますが、実務では COUNTA と COUNTIFS を覚えておけば事足ります。
Step 1. 全データ件数を数える (COUNTA)
まずは「全部で何件の請求データがあるか」を数えます。
取引先名が入っているA列を数えれば良さそうです。
- F3セル(全データ件数)を選択します。
=COUNTA(と入力します。- 数えたい範囲である、取引先名の列 A3:A7 を選択します。
(実務では列ごとA:A指定することも多いですが、見出しを引くのを忘れずに) - 括弧を閉じて
)Enterキーを押します。
完成した数式:=COUNTA(A3:A7)
結果は「5」になります。「取引先名が入力されているセル」の数です。
Step 2. 回収済み(日付あり)を数える (COUNTIFS)
次に、「入金日が入っている件数」を数えます。
COUNTIFSを使いますが、条件の書き方にコツがあります。
「空白ではない」という条件は、"<>" と書きます。
- F4セル(回収済み件数)を選択します。
=COUNTIFS(と入力します。- 検索条件範囲1:
入金日の列 C3:C7 を選択し、カンマ,を打ちます。 - 検索条件1:
「何か入力されている」という意味の “<>” を入力します。
(ダブルクォーテーションを忘れずに!) - 括弧を閉じて
)Enterキーを押します。
完成した数式:=COUNTIFS(C3:C7, "<>")
結果は「3」になります。
Step 3. 未回収(空白)を数える (COUNTIFS)
最後に、一番重要な「未回収件数」です。
「空白である」という条件は、"" と書きます。
- F5セル(未回収件数)を選択します。
=COUNTIFS(と入力します。- 検索条件範囲1:
入金日の列 C3:C7 を選択し、カンマ,を打ちます。 - 検索条件1:
「空白」という意味の “” (ダブルクォーテーション2つ)を入力します。 - 括弧を閉じて
)Enterキーを押します。
完成した数式:=COUNTIFS(C3:C7, "")
結果は「2」になります。
ベテラン経理の「ここだけの話」
「空白を数えるなら、COUNTBLANKという関数もあるけど?」と気づいた方、鋭いです。
確かに =COUNTBLANK(C3:C7) でも同じ結果になります。
しかし、私はあえて COUNTIFS を推奨します。
なぜなら、実務では条件が後から増えるからです。
「未回収」かつ「担当者が『佐藤』のもの」を数えたい、となった時、
COUNTBLANK関数では対応できませんが、COUNTIFSなら条件を追加するだけで対応できます。
=COUNTIFS(C3:C7, "", D3:D7, "佐藤")
このように、「応用が効く万能な道具(COUNTIFS)」を一つ極めておく方が、結果的に覚えることも少なくて済むのです。
注意点:見えない「ゴミ」に注意
見た目は空白なのに、なぜかカウントされない…。
そんな時は、セルの中に「スペース(空白文字)」が入っている可能性があります。
誰かがデータを消す時に、Deleteキーではなくスペースキーを押して消すと、見た目は透明でも「文字が入っている」扱いになり、""(空白)としてカウントされません。
件数が合わない時は、一度その列を選択してDeleteキーを押して「本当の空白」に掃除してみてください。
まとめ
第18回では、データの件数を把握するテクニックを学びました。
- 全体の件数は COUNTA で数える。
- 条件付きで数えるなら COUNTIFS が最強。
- 「空白」を数える条件は
""。 - 「空白以外」を数える条件は
"<>"。
これで、金額の集計(SUMIFS)と、件数の集計(COUNTIFS)という2つの強力な武器が揃いました。
これらを組み合わせれば、複雑な分析レポートも自由自在に作れます。
次回は、いよいよLevel 4の山場。関数を使わずにマウス操作だけで最強の分析を行う「ピボットテーブル」に挑戦します。
これを覚えると、これまで苦労して関数を組んでいたのが馬鹿らしくなるかもしれません…。お楽しみに!
※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。