第17回:「A部門の交際費だけ知りたい」SUMIFS関数で複数条件の集計を攻略せよ [AI]

こんにちは!大手企業の経理担当兼、Excel講師です。

Level 1からLevel 3まで、本当にお疲れ様でした。基礎体力は十分に付きました。
今日から始まるLevel 4(応用編)では、いよいよ経理の醍醐味である「分析と集計」の世界に飛び込みます。

突然ですが、上司からこんな無茶振りをされたことはありませんか?

「この3,000行ある仕訳データから、『営業部』が使った『交際費』の合計だけ教えて。あ、あと『開発部』『消耗品費』もね。急ぎで!」

まさか、フィルター機能で「営業部」を選んで、次に「交際費」を選んで、画面右下の合計値をメモして…なんてやっていませんよね?
そのやり方だと、データが1行追加されるたびに、最初からやり直しになってしまいます。

第17回のテーマは、そんな条件付き集計を一瞬で片付ける「SUMIFS(サム・イフス)関数」です。
これさえ使えれば、どんなに大量のデータがあっても、欲しい数字をピンポイントで抜き出すことができます。

経理Excel
経理Excel

なぜ経理でこのスキルが必要なのか

経理の実務では、会計システムからCSVデータをダウンロードして加工することが日常茶飯事です。

  • 部門別の予算管理表を作る
  • プロジェクトごとの収支表を作る
  • 取引先ごとの売上推移をまとめる

これらはすべて「条件を指定して合計する」作業です。

昔は「SUMIF(サム・イフ)」という関数が主流でしたが、これは「条件が1つ」しか指定できませんでした。
しかし、今の経理現場では「部門 × 科目」や「月別 × 店舗」のように、条件は2つ以上あるのが当たり前。

だからこそ、複数条件に対応した上位互換であるSUMIFS関数が必須スキルなのです。
これをマスターすれば、毎月の月次報告資料があっという間に完成し、分析やチェックに時間を使えるようになります。

【実践】今回のサンプル成果物

今回は、会計システムから出した「仕訳データ(Raw Data)」をもとに、部門と勘定科目ごとの集計表を作成します。

練習用サンプルデータ

以下の表をコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けてください。

▼元データ(仕訳)▼集計表
部門勘定科目金額科目\部門営業部
営業部旅費交通費5000旅費交通費(ここに数式)
営業部交際費15000交際費(ここに数式)
開発部旅費交通費8000消耗品費(ここに数式)
営業部消耗品費2000
開発部交際費0
営業部旅費交通費3500
開発部消耗品費12000

画面構成:
左側(A〜C列)が元データです。
右側(F3セル以下)に、「営業部」の各科目の合計金額を集計します。

手順解説:合計したい列を最初に選ぶ

SUMIFS関数の構文は、以下のような構造になっています。

=SUMIFS( ①合計対象範囲, ②条件範囲1, ③条件1, ④条件範囲2, ⑤条件2 ... )

  • ①何を合計するの?(金額の列)
  • ②どこから探す?(部門の列)
  • ③何を探す?(”営業部”)
  • ④次はどこから?(科目の列)
  • ⑤何を探す?(”旅費交通費”)

Step 1. 「営業部」かつ「旅費交通費」を集計する

F3セル(営業部の旅費交通費)に数式を入力していきましょう。

  1. F3セルを選択し、=SUMIFS( と入力します。
  2. ①合計対象範囲:
    合計したい「金額」の列を選びます。
    元データの C3:C9 を選択し、F4キーを押して絶対参照($C$3:$C$9)にします。
    カンマ , を打ちます。
  3. ②条件範囲1(部門列):
    部門が載っている A3:A9 を選択し、F4キーを押します($A$3:$A$9)。
    カンマ , を打ちます。
  4. ③条件1(”営業部”):
    集計表の見出しである F2セル(営業部)をクリックします。
    ここでF4キーを2回押して「行固定(F$2)」にしておくと、後で便利です。
    カンマ , を打ちます。
  5. ④条件範囲2(科目列):
    科目が載っている B3:B9 を選択し、F4キーを押します($B$3:$B$9)。
    カンマ , を打ちます。
  6. ⑤条件2(”旅費交通費”):
    集計表の左側にある E3セル(旅費交通費)をクリックします。
    ここでF4キーを3回押して「列固定($E3)」にします。
  7. 括弧を閉じて ) Enterキーを押します。

完成した数式:
=SUMIFS($C$3:$C$9, $A$3:$A$9, F$2, $B$3:$B$9, $E3)

結果は「8500」になりましたか?
(5000 + 3500 = 8500 ですね)

Step 2. オートフィルで完成させる

絶対参照($マーク)を適切につけていれば、この数式を下方向にドラッグするだけで、交際費も消耗品費も自動で計算されます。

  • 交際費(F4):15000
  • 消耗品費(F5):2000

これで集計完了です!

ベテラン経理の「ここだけの話」

「SUMIF(Sなし)」と「SUMIFS(Sあり)」、どっちを使えばいいの?とよく聞かれます。

結論から言うと、「これから覚えるなら SUMIFS(Sあり)一択」でOKです。

理由は2つあります。

  1. 引数の順番が違う:
    SUMIFは (条件範囲, 条件, 合計範囲) の順ですが、SUMIFSは (合計範囲, 条件範囲, 条件...) です。
    両方覚えると頭が混乱します。SUMIFSは「最初に合計したい列を選ぶ」ので直感的です。
  2. 大は小を兼ねる:
    SUMIFSは条件が1つだけでも使えます。わざわざ使い分けるメリットはありません。

また、実務テクニックとして「ワイルドカード」も覚えておきましょう。
条件に "営業*" (アスタリスク)と指定すれば、「営業部」も「営業1課」も「営業推進室」も、「営業」で始まる部署すべてを合算してくれます。

まとめ

第17回では、条件付き集計の決定版 SUMIFS関数 を学びました。

  • =SUMIFS(合計したい列, 探す列1, 条件1, 探す列2, 条件2...)
  • 「金額」の列を最初に指定するのがポイント。
  • 元データの範囲は必ず「絶対参照(F4キー)」でロックする。
  • 条件が1つでも複数でも、SUMIFSを使っておけば間違いない。

これで、いちいちフィルターをかけて電卓を叩く作業とはサヨナラです。
データが増えても、更新ボタン一つ(あるいは再計算)で最新の集計結果が出る。これがExcelの強みです。

次回は、金額ではなく「件数」を数えるテクニック。
「COUNTIFS(カウント・イフス)関数」を使って、「未回収の請求書は何件あるか?」といった管理業務を効率化しましょう!


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※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。

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迷子探偵やもやも [AI]

探偵はいつも迷子ですw

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