第16回:請求書の日付を自動更新!TODAY関数と「月末」を求めるEOMONTH関数 [AI]
こんにちは!大手企業の経理担当兼、Excel講師です。
請求書を作成していて、最後に印刷ボタンを押す直前。こんなミスに気づいて冷や汗をかいたことはありませんか?
「あっ、発行日が先月のままだった!」
あるいは、取引先に送った後に電話がかかってきて、
「今回の請求書、支払期限が『2月31日』になってますけど、そんな日ありませんよ?」
と指摘されたり…。恥ずかしいですよね。
第16回のテーマは、こうした「日付ミス」をゼロにする「TODAY(トゥデイ)関数」と「EOMONTH(エンド・オブ・マンス)関数」です。
これを使えば、Excelを開いた瞬間に「今日の日付」が入力され、複雑な「月末払い」の期限も自動で計算してくれるようになります。
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なぜ経理でこのスキルが必要なのか
経理の世界では、日付は単なる数字ではありません。「信用」そのものです。
特に「支払期限」の計算は厄介です。
日本の商習慣では「月末締め・翌月末払い」が一般的ですが、手入力で「翌月末」を入れようとすると、様々な罠があります。
- 30日で終わる月(西向く士)と、31日まである月がある。
- 2月は28日だったり、うるう年で29日だったりする。
私が新人の頃、「支払期限は1ヶ月後だから」と安易に「+30」を足す数式を入れてしまい、大晦日が期限になるはずが12月30日になっていたり、ズレが生じて上司に怒られた経験があります。
Excelには「その月の末日が何日か」を完璧に把握している専用の関数があります。
それを活用することで、カレンダーを見ながら指差し確認する手間から解放されるのです。
【実践】今回のサンプル成果物
今回は、請求書のヘッダー部分(日付欄)を自動化します。
「今日の日付」を入れると、自動的に「翌月末の支払期限」が表示される仕組みを作りましょう。
練習用サンプルデータ
以下の表をコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けてください。
| 項目 | 内容 | 数式の狙い |
|---|---|---|
| 発行日 | (手入力/TODAY) | 今日の日付を自動で出す |
| 支払条件 | 翌月末払い | (ただのメモ書きです) |
| 支払期限 | (ここに数式) | 発行日の翌月の「末日」を自動計算 |
手順解説:カレンダー不要の自動計算
1. 「今日」を表示するTODAY関数
まずはB2セル(発行日)に、今日の日付を表示させましょう。
この関数は、引数(括弧の中身)がいりません。
- B2セルを選択します。
=TODAY()と入力してEnterキーを押します。
(括弧の中には何も書きません)
どうですか? パソコンのカレンダーと同じ「今日の日付」が表示されましたね。
この日付は、明日ファイルを開けば明日の日付に、1年後に開けば1年後の日付に自動更新されます。
★ショートカットの豆知識
関数ではなく、「今日の日付を固定値で入力したい(明日は変わってほしくない)」場合は、Ctrl + ; (セミコロン)
を押してください。一瞬で今日の日付が入ります。これも経理の必須技です。
2. 「〇ヶ月後の月末」を出すEOMONTH関数
次に、B4セル(支払期限)に「発行日の翌月末」を計算させます。
ここで登場するのが EOMONTH関数 です。
=EOMONTH(基準となる日, 月数)
- 基準となる日:いつから数える?
- 月数:何ヶ月後の末日を知りたい?(0なら当月末、1なら翌月末)
- B4セルを選択します。
=EOMONTH(と入力します。- 基準となる日:
発行日である B2セル をクリックし、カンマ,を打ちます。 - 月数:
翌月末を知りたいので、1 と入力します。
(もし「翌々月末」なら 2、「当月末」なら 0 です) - 括弧を閉じて
)Enterキーを押します。
完成した数式:=EOMONTH(B2, 1)
※数字(シリアル値)になっちゃった!?
もし結果が「45413」のような数字になった場合は、慌てずに Level 1 でやった「表示形式」を思い出してください。Ctrl + 1 を押して、「日付」形式に変更すれば、正しい日付になります。
ベテラン経理の「ここだけの話」
TODAY関数は便利な反面、経理実務では「取り扱い注意」の劇薬でもあります。
例えば、今日(4月1日)に請求書を作って保存しました。
数日後(4月5日)に、「あ、ちょっと修正しよう」と思ってそのファイルを開くとどうなるでしょう?
発行日が勝手に「4月5日」に変わってしまいます。
これに気づかずに再発行すると、日付の改ざんになりかねません。
ですので、私は実務では以下のように運用しています。
- テンプレート(雛形)には
=TODAY()を入れておく。 - 請求書を作成して完成したら、日付セルをコピーして、「値として貼り付け」直し、数式を消して日付を固定する。
- または、すぐにPDF化して保存する。
「TODAY関数は、ファイルを開いた瞬間の日付に変わる」。
この特性を理解した上で、事故が起きない運用ルールを決めておくのがプロの仕事です。
まとめ
第16回では、日付を扱う便利な関数を2つ紹介しました。
=TODAY():今日の日付を自動表示する(引数は不要)。=EOMONTH(開始日, 月数):指定した月数後の「末日」を求める。- 翌月末なら「1」、当月末なら「0」を指定する。
- TODAY関数は開くたびに日付が変わるので、保存時には注意が必要。
これで、Level 3(中級編)はすべて修了です!
お疲れ様でした。VLOOKUP、IFERROR、入力規則、IF、そして日付関数。
これらを組み合わせれば、実務で使う大抵のフォーマットは「自動化」できるはずです。
次回からは、いよいよLevel 4(応用編)にステップアップします。
テーマは「分析と集計」。
数千行、数万行のデータを一瞬でさばき、「A部門の売上はいくら?」「未回収は何件ある?」といった上司の問いに即答するスキルを身につけます。
最初のテーマは、条件付き集計の決定版「SUMIFS(サム・イフス)関数」です。
経理の分析業務で最も使われる関数の一つですので、ぜひお楽しみに!
※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。
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