第11回:顧客名を手打ちするのは今日で終わり。VLOOKUP関数で台帳から自動転記させる [AI]

こんにちは!大手企業の経理担当兼、Excel講師です。

Level 1, Level 2をクリアされた皆さん、素晴らしいです!
今日からいよいよLevel 3(中級編)に突入します。

ここからのテーマは「自動化」です。

突然ですが、請求書を作るたびに、こんな作業をしていませんか?

  • 過去の請求書ファイルを開いて、社名と住所をコピーする。
  • 「株式会社」が前だったか後ろだったか、名刺を見ながら手打ちする。
  • 郵便番号をネットで検索して貼り付ける。

その作業、今日で終わりにしましょう。
Excelには「コード(番号)を入れるだけで、台帳から住所や社名を引っ張ってくる」という魔法の関数があります。

それが、事務職の求人で「必須スキル」と書かれることの多い「VLOOKUP(ブイ・ルックアップ)関数」です。
これを覚えると、Excelの世界が一気に広がりますよ!

経理Excel
経理Excel

なぜ経理でこのスキルが必要なのか

経理において、顧客名や取引先名を「毎回手入力する」ことは、非効率なだけでなくリスクの塊です。

  • 表記ゆれ:「(株)」「株式会社」「㈱」が混在し、後で集計できなくなる。
  • 誤字脱字:「斎藤」と「斉藤」、「髙橋」と「高橋」を間違える。
  • 誤請求:似たような名前の別の会社に請求書を送ってしまう(情報漏洩事故)。

これらを防ぐために、経理では「マスタ(台帳)」という考え方をします。
「正しい情報はマスタに一つだけある。あとはそこから参照(コピー)してくるだけ」という状態を作るのです。

VLOOKUP関数は、まさにこの「マスタから正しい情報を探してくる」ための機能です。

【実践】今回のサンプル成果物

今回は、「顧客コード」を入力すると、隣のセルに「顧客名」と「住所」が自動で表示される簡易請求書システムを作ります。

練習用サンプルデータ

以下の表をコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けてください。

コード顧客名(マスタ)住所(マスタ)入力欄自動表示1自動表示2
101(株)アルファ商事東京都千代田区1-1請求先コード顧客名住所
102ベータ建設大阪府大阪市2-2102
103ガンマ物流(株)愛知県名古屋市3-3101
104デルタ工業福岡県福岡市4-4105
105(株)イプシロン北海道札幌市5-5

画面の構成:
左側(A〜C列)が「顧客マスタ(台帳)」です。
右側(E〜G列)が「請求書作成エリア」です。
E列に入っているコードに対応する名前を、F列とG列に表示させましょう。

手順解説:VLOOKUPの「4つの引数」を制する

VLOOKUP関数は、「4つの情報」をExcelに伝える必要があります。
少し長いですが、言葉の意味さえわかれば簡単です。

=VLOOKUP(①検索値, ②範囲, ③列番号, ④検索の型)

  • ①何を?(探したいコード)
  • ②どこから?(マスタの範囲)
  • ③何列目を?(名前や住所がある列数)
  • ④探し方は?(完全に一致するものか)

Step 1. 顧客名を表示させる

まず、F2セル(102番の顧客名を表示させたい場所)を選択し、以下の手順で入力します。

  1. =VLOOKUP( と入力します。
  2. ①検索値:「どのコードを探すの?」
    左隣にある E2セル(102)をクリックし、カンマ , を打ちます。
  3. ②範囲:「どの表の中に答えがあるの?」
    マスタデータである A2からC6まで をドラッグして選択します。
    【超重要】 ここで F4キー を1回押して「絶対参照($マーク)」をつけます。
    (範囲を $A$2:$C$6 にしないと、コピーした時にズレてしまいます!)
    カンマ , を打ちます。
  4. ③列番号:「その表の何列目が欲しいの?」
    マスタの左端から数えて、「顧客名」は2列目ですよね。
    数字の 2 を入力し、カンマ , を打ちます。
  5. ④検索の型:「どうやって探す?」
    完全に一致するコードを探したいので、FALSE(または 0)を入力します。
    経理では必ず「FALSE(0)」を使います。
  6. 括弧を閉じて ) Enterキーを押します。

完成した数式:
=VLOOKUP(E2, $A$2:$C$6, 2, 0)

「ベータ建設」と表示されましたか?
表示されたら、オートフィルで下までコピーしてみましょう。101なら「アルファ商事」、105なら「イプシロン」が出るはずです。

Step 2. 住所を表示させる

同じ要領で、G列に住所も出してみましょう。
考え方は全く同じです。変えるのは「③列番号」だけです。

  1. G2セルに =VLOOKUP( と入力。
  2. 検索値は E2
  3. 範囲は $A$2:$C$6 (F4キーを忘れずに!)。
  4. 列番号は、住所なので左から数えて 3 列目。
  5. 検索の型は 0 (FALSE)。

完成した数式:
=VLOOKUP(E2, $A$2:$C$6, 3, 0)

これで、「大阪府大阪市…」が表示されれば成功です!

ベテラン経理の「ここだけの話」

VLOOKUPを使う時、最後の引数(④検索の型)を省略したり、「TRUE(1)」にしたりする人がいますが、経理実務では絶対にNGです。

TRUE(近似一致)にしてしまうと、Excelは「102が見つからないから、近い数字の101を出しておこう」という余計な気を利かせます。
これでは、誤請求が発生してしまいます。

「経理のVLOOKUPは、最後は必ず『0(ゼロ)』で終わる」
呪文のように唱えて覚えてください。FALSE と入力するのが面倒なら、数字の 0 でOKです。

また、今回はマスタを同じシートに置きましたが、実務では「マスタシート」と「請求書シート」を分けるのが一般的です。
その場合も操作は同じ。「範囲」を選ぶ時に、別シートをクリックして範囲選択すればOKですよ。

まとめ

第11回では、脱・手入力の第一歩、VLOOKUP関数を習得しました。

  • コード(ID)をキーにして、台帳からデータを取り出せる。
  • 数式は =VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 0)
  • 範囲には必ず「$(絶対参照)」をつける(Level 2の復習!)。
  • 最後の引数は必ず「0(完全一致)」にする。

これで、顧客名や商品名を間違えるリスクはゼロになりました。
しかし、Excelの進化は止まりません。実は最新のExcelには、このVLOOKUPをもっと簡単にした「XLOOKUP(エックス・ルックアップ)」という神関数が登場しています。

次回は、Excelの新常識「XLOOKUP」について解説します。「VLOOKUP、難しくて挫折しそう…」と思った方こそ必見です!


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※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。

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探偵はいつも迷子ですw

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