第8回:【最重要】「$マーク」の意味わかりますか?絶対参照を制する者は経理実務を制す [AI]
こんにちは!大手企業の経理担当兼、Excel講師です。
Excelの数式をコピーした時、こんな悲劇に見舞われたことはありませんか?
「1行目は正しく計算できたのに、下にコピーしたら計算結果が『0』や『#DIV/0!(エラー)』になってしまった!」
「参照しているセルが勝手に下にズレて、全然違う数字を計算している…」
この現象に遭遇して、「Excel壊れた?」と焦る初心者は非常に多いです。
しかし、これはExcelが壊れたのではありません。Excelが「気を利かせすぎた」結果なのです。
第8回のテーマは、Excel学習における「最大の壁」と言われる「相対参照」と「絶対参照($マーク)」です。
少し難しそうに聞こえるかもしれませんが、これを理解しないと経理の実務はできません。逆にこれさえ理解すれば、あなたは「Excelが使える人」として一目置かれるようになります。
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なぜ経理でこのスキルが必要なのか
経理では、「一つの数字を、みんなで使い回す」という計算が頻繁に発生します。
- 全商品の金額に、同じ「消費税率(10%)」を掛ける。
- 各支店の売上を、同じ「全社合計額」で割ってシェアを出す。
- 外貨建ての経費を、同じ「社内レート」で円換算する。
Excelは通常、数式を下にコピーすると、参照するセルも一緒に下にズレていきます(これが「相対参照」)。
しかし、上記のような「固定したい数字」まで一緒に下にズレてしまうと、計算が破綻します。
「このセルだけは、動くな!」と画鋲(がびょう)で留める機能。
それが「絶対参照($マーク)」なのです。
【実践】今回のサンプル成果物
今回は、「店舗別の売上構成比(シェア)」を計算する表を作ります。
「各店舗の売上 ÷ 全店の合計」という割り算を行いますが、この「全店の合計」を固定できるかどうかが勝負です。
練習用サンプルデータ
以下の表をコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けてください。
| 店舗名 | 売上高 | 構成比 |
|---|---|---|
| 東京本店 | 5000 | |
| 大阪支店 | 3000 | |
| 名古屋支店 | 2000 | |
| 福岡支店 | 1000 | |
| 合計 | 11000 | – |
※B6セル(11000)は合計値です。もし数値が入っていなければ =SUM(B2:B5) で合計を出しておいてください。
手順解説:「$」でセルをロックする
まずは失敗例を見てから、正解の手順を行いましょう。
1. 【失敗例】そのまま計算してコピーしてみる
まずは何も考えずに割り算をしてみます。
- C2セル(東京の構成比)に
=B2/B6(東京の売上 ÷ 合計)と入力します。 - 答え「0.45…」が出ます。ここまではOK。
- この数式を下の行(大阪〜福岡)までオートフィルでコピーしてください。
- 結果を見てください。「#DIV/0!」というエラーが出ませんか?
C3セル(大阪の行)の数式を見てみましょう。=B3/B7 になっています。
分子の「B3(大阪)」がズレたのは正解ですが、分母の「B7」は合計欄の下の空白セルです。
合計セルまで一緒に下にズレてしまったため、失敗したのです。
2. 【正解】F4キーで「$」をつける
では、気を取り直してやり直しましょう。
「合計セル(B6)だけはズレるな!」と命令します。
- 数式を入れ直す
一旦C列の数式を消して、もう一度C2セルを選択します。=を押し、分子である B2セル(東京)をクリックします。/(割り算)を押します。 - 分母を選んで「ロック」する
分母である B6セル(合計)をクリックします。
ここで、すかさずキーボードのF4キーを1回押してください。 - $マークがついたのを確認
数式が=B2/$B$6に変わりましたか?
Bと6の前に「$」がつきました。これが「絶対参照(ロック完了)」の印です。
そのままEnterキーを押します。 - 数式をコピーする
オートフィルで下までコピーしてください。
今度はエラーにならず、正しい計算結果が出たはずです!
下の行の数式を確認してみましょう。=B3/$B$6=B4/$B$6
分子(B3, B4…)は動いていますが、分母($B$6)はずっと固定されていますね。
これが絶対参照の威力です。
ベテラン経理の「ここだけの話」
この「$マーク」ですが、実は F4 キーを押すたびに形が変わります。
これを「トグル切り替え」と言います。
- 1回押す:
$B$6(列も行も固定。完全に動かない) - 2回押す:
B$6(行だけ固定。横には動くが縦には動かない) - 3回押す:
$B6(列だけ固定。縦には動くが横には動かない) - 4回押す:
B6(解除。元に戻る)
最初は $B$6 (完全固定)だけで十分です。
しかし、Levelアップして複雑な表を作るようになると、「行だけ固定したい」という場面が出てきます(これを「複合参照」と言います)。
「F4キーを何回か押すと、ドルマークの場所が変わるんだな」ということだけ、頭の片隅に置いておいてください。
ちなみに、ドルマークは「お金」の意味ではなく、Sの字に縦棒を通した「杭(くい)を打って固定する」イメージで覚えると忘れませんよ。
まとめ
第8回では、Excel最大の壁「絶対参照」を攻略しました。
- 数式をコピーすると、通常は参照セルもズレる(相対参照)。
- ズレてほしくないセルには「$」をつける(絶対参照)。
- 「$」を手入力するのは大変なので、F4キーでつける。
この機能を知っているだけで、計算式の作成効率は何倍にもなります。
「一つの数字をみんなでシェアする時はF4キー!」と指に覚え込ませましょう。
※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。