第7回:オートSUMボタンの落とし穴。合計範囲を正しく指定してミスを防ぐ方法 [AI]
こんにちは!大手企業の経理担当兼、Excel講師です。
経理の仕事をしていると、1日に何度も「合計」を計算します。
そんな時、ツールバーにある「オートSUM(Σ)」ボタンは強い味方ですよね。ワンクリックで =SUM() という数式を入れてくれる便利な機能です。
でも、あなたはオートSUMが提案してくる計算範囲を、100%信用していませんか?
「ボタンを押して、Enter!」
このリズム作業に慣れてしまった時こそ、経理担当にとって一番恐ろしいミスが忍び寄ります。
第7回は、便利だけど時々嘘をつく「オートSUMの落とし穴」と、正しい範囲指定の方法について解説します。
これを理解していないと、「合計したはずなのに、請求額が足りない!」という大事故につながりかねません。
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なぜ経理でこのスキルが必要なのか
ExcelのオートSUM機能は、「数字が連続している範囲」を自動的に探してくれます。
逆に言えば、「途中に空白行がある」と、そこで探すのを止めてしまうのです。
経理の実務データは、きれいな表ばかりではありません。
- 見やすくするために1行空けてある請求書
- 小計が入っている経費精算書
- 備考欄だけ文字が入っているリスト
こうした表で何も考えずにオートSUMを使うと、Excelは「ここまでの合計でしょ?」と勝手な判断をし、上の数行しか合計してくれないことがあります。
「Excelが計算してくれたんだから間違いない」という思い込みを捨て、「Excelが指定した範囲は正しいか?」と疑う目(検算の視点)を持つこと。これがプロ経理への第一歩です。
【実践】今回のサンプル成果物
今回は、わざと「オートSUMが失敗しやすい」意地悪な構造の「経費精算書」を用意しました。
これを正しく合計できるように修正してみましょう。
練習用サンプルデータ
以下の表をコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けてください。
※金額の列に空白が含まれているのがポイントです。
| 日付 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| 4/1 | タクシー代 | 3500 |
| 4/2 | 手土産代 | 5000 |
| (出張関連) | ||
| 4/10 | 新幹線代 | 13500 |
| 4/11 | 宿泊費 | 9000 |
| 合計 |
手順解説:範囲指定を自分の支配下に置く
それでは、C7セル(合計欄)に正しい合計を出してみましょう。
1. オートSUMの失敗を確認する
まずは、何も考えずにオートSUMを使ってみてください。
- 合計を出したいセルを選択
C7セルをクリックします。 - オートSUMボタンを押す
「ホーム」タブまたは「数式」タブにある「オートSUM(Σ)」ボタンをクリックします。
(またはショートカットキーAlt+Shift+=を押します) - 範囲を確認する(重要!)
画面を見てください。点滅する点線(通称:蟻の行進)が囲んでいるのは、「13500」と「9000」だけではありませんか?
途中の空白(C4セル)のせいで、その上にある「3500」と「5000」が無視されています。
このままEnterを押すと、間違った合計になってしまいます。
2. マウスで正しい範囲を教える
Excelが間違った範囲を提案してきたら、人間が正解を教えてあげる必要があります。
- 数式が編集状態のままにする
まだEnterキーは押しません。=SUM(C5:C6)のように表示され、範囲が色枠で囲まれている状態です。 - 正しい範囲をドラッグし直す
マウスを使って、C2セル(3500)からC6セル(9000)までを、グイッとドラッグし直してください。
数式が=SUM(C2:C6)に変わりましたか? - Enterキーで確定
これで正しい合計「31000」が表示されます。
3. 離れたセルを合計する場合
もし、「タクシー代」と「新幹線代」だけ(C2とC5だけ)を合計したい場合はどうすればよいでしょうか?
=SUM(まで入力された状態で、まずC2をクリック。- キーボードの
Ctrlキーを押しながら、C5をクリック。 - Enterキーを押す。
数式は=SUM(C2,C5)となり、カンマで区切られた特定のセルだけが合計されます。
ベテラン経理の「ここだけの話」
SUM関数の範囲指定で、もう一つよくある事故を紹介します。
それは「行の挿入による範囲漏れ」です。
例えば、合計行のすぐ上に行を挿入して、新しいデータを追加したとします。
もともとの数式が「合計行の1つ上」までしか範囲指定していない場合、挿入した行が範囲の外になってしまうことがあるのです。
これを防ぐためのプロの技があります。
それは、「合計行とデータの間に、必ず1行空白行を入れておき、その空白行まで含めてSUMの範囲にしておく」ことです。
そうすれば、データの行と空白行の間に行を挿入しても、Excelが自動的にSUMの範囲を拡張してくれます。
「合計欄の1行上は空けておく」。これはExcel経理の隠れた作法の一つです。
まとめ
今回は、オートSUMの危険性と、正しい範囲指定の方法を学びました。
- オートSUMは空白セルで止まってしまうことがある。
- 提案された範囲を鵜呑みにせず、必ず目で見て確認する。
- 違っていたら、マウスで正しい範囲をドラッグし直せばOK。
「機械は計算を間違えないが、人間は指示を間違える」。
この言葉を胸に、常に「範囲は合っているか?」を確認する癖をつけてください。その慎重さが、あなたの経理担当としての信頼を作ります。
※本ブログはこの一文以外は、AIによる記載です。内容にウソが含まれている可能性がありますので、ご注意ください。写真もAIで作成しています。